鮫島彩の招集はあるのか? (c)朝日新聞社
鮫島彩の招集はあるのか? (c)朝日新聞社

 東京オリンピック本大会へ向けて、各競技とも代表権をかけた大会が行われている。なでしこジャパンも最終メンバーの発表を数日後に控えているが、その段階でも18名のリストを巡っては、百家争鳴している。

 現段階で「このチームのエースは?」と問われれば、岩渕真奈の名前を挙げるべきだろう。中2日のスケジュールで行われた4月のパラグアイ戦、パナマ戦、6月のウクライナ戦、メキシコ戦にすべて先発。攻撃の軸として指揮官が寄せる信頼度の高さとともに、コンディションの良さも感じさせる。

 ウクライナ戦では、相手ディフェンダーにハイプレスをかけてボールを奪い、塩越柚歩(三菱重工浦和レッズレディース)のゴールをお膳立てし、自身も2ゴールを加えた。メキシコ戦でも、35分、林穂之香(AIKフットボール)のパスを受けると、カバーに入ったDFを切り返しで軽くあしらっての先制弾。後半立ち上がりには、田中美南(バイヤー・レバークーゼン)のゴールを演出するなど、このゲームも1得点2アシストの数字を残した。

 ベスト16に終わった女子ワールドカップのフランス大会では、開幕前日、やや曇ったような表情も見られた。それに比べて意識までベクトルが共有されている今回は「現時点でのベスト。ここが MAX ではないので、今回の合宿、そして次の合宿と積み重ねるにつれて、もっともっといいチームにならなきゃいけないなと思っています」。自身だけでなく、本大会に向けたチームのプロセスにも、手ごたえを感じている様子だ。

 岩渕以外に2試合で先発したのは、主将の谷紗希(FCバイエルン・ミュンヘン)、中島依美(INAC神戸レオネッサ)、清水梨紗(日テレ・東京ヴェルディベレーザ)、長谷川唯(ACミラン)。「主力もターンオーバーは必要になってくる」という高倉監督だが、岩渕を含めた上記5人に、パナマ戦でハットトリックの菅澤優衣香(三菱重工浦和レッズレディース)、4戦連発中の籾木結花(OLレインFC)らを中心にローテーションは組まれるだろう。

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サプライズ招集は?