名古屋入管で亡くなったスリランカ女性33歳の供養に参列 日本社会の腐敗と悲劇は地続きだ (1/4) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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名古屋入管で亡くなったスリランカ女性33歳の供養に参列 日本社会の腐敗と悲劇は地続きだ

連載「おんなの話はありがたい」

ウィシュマ・サンダマリさんの偲ぶ会の様子

ウィシュマ・サンダマリさんの偲ぶ会の様子

ウィシュマ・サンダマリさんの死に寄せられたメッセージ

ウィシュマ・サンダマリさんの死に寄せられたメッセージ

北原みのり(きたはら・みのり)/1970年生まれ。作家、女性のためのセックスグッズショップ「ラブピースクラブ」代表

北原みのり(きたはら・みのり)/1970年生まれ。作家、女性のためのセックスグッズショップ「ラブピースクラブ」代表

 作家・北原みのりさんの連載「おんなの話はありがたい」。今回は、名古屋入管で亡くなったスリランカ女性の身に起きたことと日本社会の関係について。

【写真】国民として深くお詫びします。ウィシュマさんの死に寄せられたメッセージ
*  *  *
「我々がこのまま生き残っていけるとは、私にはどうしても思えないのです。なぜなら我々は、腐っているからです。皆様、もうお気づきでしょう。我々は組織として腐敗しきっています。不都合な事実を隠蔽し、虚偽でその場をしのぎ、それを黙認し合う。何より深刻なのは、そんなことを繰り返すうちに我々はお互いを信じ合うことも、敬い合うこともできなくなっていることです。(略)我々は生まれ変わるしかない。どんなに深い傷を負うとしても、真の現実に立ち向かう力、そしてそれを乗り越える力、そういう本当の力を一から培っていかなければならない。たった今から」

 渡辺あや脚本、NHKの土曜ドラマ「今ここにある危機とぼくの好感度について」最終回の大学総長役、松重豊さんのセリフだ。莫大なカネと威信がかかっている国際的なイベント会場に危険な蚊が発生する。人命を優先するか、または現実を隠蔽して強行するかが問われるシーンだ。ドラマの中では声をあげた立場の弱い女性の人生が切り捨てられ、男たちの忖度と、組織を守るために事実を隠蔽する様が、コミカルでありシリアスであるという絶妙な濃淡で描かれていた。

 生き残るためについたうそ、生き残るために隠されてきた事実。だけれどもう、うそや隠蔽で生き残ることはできないのだ。なぜならもう、“あなたたち”は腐ってるから。だから生まれなおすしかない。

 ああ、渡辺あやさんのこの言葉は、“あの人たち”に届くのでしょうか。

 名古屋入管で亡くなったウィシュマ・サンダマリさんを偲ぶ会が、5月29日、築地本願寺で行われた。妹のワヨミさんとポールニマさん、親友らが最前列に座る式場には、数百人に及ぶ人々が献花に訪れ、来日できなかったウィシュマさんの母へのメッセージを記していた。スリランカ式の供養では、パーリ語の経典が読み上げられ、妹さんたちが美しい声で歌うように経典を共に読み上げていた。


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