鯛や酒の値段はさほど高くはない。問題は、絹の巻物だ。絹の巻物は、結婚式でのドレスに仕立てられてきた。黒田清子さんは、慶樹さんが納采の儀で納めた絹の巻物を純白のロングドレスに仕立て、挙式で身に着けた。高円宮家の次女、典子さんが出雲大社宮司を務める千家家の長男、国麿さんと結婚したときは、披露宴と皇族方や各界要人を招いて開かれる晩さん会でのドレスに仕立てされた。

 ドレスに仕立てるには、最低でも5メートルの長さが必要である。過去の納采の儀では、幅1・2メートル、長さ10メートルの布が納められた。相応の値段がつく品だ。

 小室さんのNY州司法試験の合否が出るのは12月。働いて報酬を手にするのは、さらに先だ。眞子さまと小室さんの婚約内定が発表された2017年のことだが、混乱をさけるために、宮内庁が小室さんに、「タクシーで移動して欲しい」と頼んだが、小室さんは「タクシー代は高額なので」と断り、宮内庁が車を出したという報道もあった。 

 また一連の儀式で、男性側が“調達”しなければならないのはモノだけではない。

 納采の儀や結婚式の前に執り行われる「告期(こっき)の儀」では、小室家からモーニングで正装した使者を立てて秋篠宮邸を訪問し、納采の品を納める必要がある。黒田清子さん、高円宮家の典子さん、絢子さんのいずれのときも、男性側の親族が使者に立った。

 小室家は、親族との付きあいがほぼ絶縁状態にあるようだが、正装で秋篠宮邸を訪問するにふさわしい人物がいるのだろうか。

 さらに、秋篠宮家から小室家へも宮内庁の職員が使者として訪問する。むかえる小室さん側もモーニングの正装で迎える必要がある。

 過去の皇族の結婚では、こんな話もある。ある親族がモーニングを着用しなくてはいけないが体重が増えてしまい、むかしあつらえたモーニングが入らない。そう頻繁に、着る機会はない。「新調するのはもったいない」と過酷なダイエットに励み、身体を服のサイズに合わせたという。

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宮内庁にある礼服の「レンタルルーム」