東京五輪に何カ国、何人の要人が訪日するかについても質問したが、明確な回答はなかった。

「各国のオリンピック委員会が、その国の要人として誰を呼ぶかを決めて、IOC(国際オリンピック委員会)が承認すれば、要人として開会式に出席したり、競技を観戦したりすることができる仕組みになっておりまます。日本政府が招待するわけではないため、日本側から何人とは言いにくいです。コロナ禍での開催となるので、普段よりは要人の数は少なくなるかと思います」(要人接遇事務局)

 接遇費の試算は、過去の五輪開会式に出席した要人の数と、2年前に開催したG20や即位の礼を参考にしたという。

「リオに約40名、ロンドンと北京には約80名の首脳級の要人が開会式に出席したと把握しております。1カ国当たりの予算は2年前に開催したG20や即位の礼を踏まえながら考えております。その時にかかった車両の経費などを参考にしています。同じ接遇をするわけではないのですが、細かい予算の積み上げがあり、国の数と掛け合わせて予算を要求しています」(要人接遇事務局)

 1カ国当たりの予算を繰り返し尋ねたが、回答を濁した。

「そこはちょっと……。予算には、事務局の運営費も含まれているので、単純に1カ国当たりいくらという話にはならないのです」(要人接遇事務局)

 ちなみに要人接遇事務局の運営費とは、臨時組織として借りた机や、大会期間中に空港に設ける連絡室の経費だと言い、「全体の単位から見ればそれほど大きくはないが、無視できない金額」と説明していた。

 要人の宿泊費は、外務省の予算43.6億円には含まれていないという。

「費用は各国側でみてもらうことになっております。大会組織委員会が宿泊先を斡旋しますが、必ず指定のホテルに泊まるわけではないかと思います。ただ、別途部屋をとる場合にもちゃんとホテル側に動線を分けるなどの相談してもらうよう、各国にお願いをしているところです」(要人接遇事務局)

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長野五輪では「黒い輪」と不明金