その他にも、要人の隔離期間やPCR検査を選手たちと同じように扱うかは「検討中」だという。ワクチン接種については、「義務化されていないので、考慮する要素にはならない」と回答した。

 長野冬季五輪(1998年)の時、要人接待費を巡って使途不明金が発生し、招致委員会の会計名簿が廃棄されたことが問題となった。前出の高橋さんは言う。

「この時は何人ものIOC委員が京都に行って芸者接待を受けていました。英BBCの調査報道記者らが執筆した『黒い輪』に<成金の日本円が行き来し、芸者がIOC委員に密着するものであった>と記しています」

 IOC調整委員会と大会組織委員会などによる合同会議の終了後の21日、記者会見したコーツ副委員長は「五輪パラの開催期間中に緊急事態宣言が発令された場合、大会を開催するのか」との質問に、「答えはイエスだ」と断言。日本中でひんしゅくを買った。IOCの強硬姿勢は「ぼったくり男爵」などと海外でも批判を浴びている。

 使途が不透明になっている外務省の要人接待費をこの際、きちんと見直したらどうか。
(AERA dot.編集部 岩下明日香)