半分冗談のようなノリで語っていた部分もあったが、参考にしようと真剣に聞いていたのが印象的だった。そして34歳でプロ野球を引退した新庄から「40歳になってもまだやってるなと思って。まだ飽きない?」との質問に、「飽きないです」と即答した。

「トップに立つために、監督を胴上げするために、ひとつでもチームに貢献したいなと思います」(糸井/16年11月25日入団会見)

「どれぐらいまだできるんかなっていう『自分への挑戦』みたいな感じやね。自分もそこに興味あるし、そのために体を治したから。オープン戦で自信になった部分もあるんでね。(今年の目標は)ビールかけ。それだけです」(糸井/3月24日付スポーツ報知)

 移籍当時、そして今季開幕前のコメントを比べても糸井の思いにブレはない。阪神へは優勝するために来た。そのためにも、限界に近い身体にムチ打ってプレーし続ける覚悟だ。

 戦力が整い、今年は優勝の大チャンス。イキの良い若手が育ち、外国人助っ人もこれまで期待に応えている。そこに百戦錬磨の糸井が加われば、悲願達成も現実味を帯びる。優勝するためにも糸井は必要であり、今季も超人的なプレーでチームを救って欲しい。