配川氏は安倍氏の指示で、案里氏の応援に広島にかけつけ、役割を果たしたのだろうか。

 安倍氏は昨年8月、健康問題を理由に7年8カ月余り続いた首相の座を退いたが、その後は健康が回復してきたことが伝えられ、地元の会合などにも顔を見せている。

 今も、配川氏が地元事務所に出入りしているのはなぜなのか。

「配川さんは会計処理を担当する金庫番だから、彼がいないとわからないことがいっぱいある。公設秘書を辞めたからって、急に引き継げるものでもない。特に、秋までに衆院選挙を控えているので、配川さんがいないと、裏でいろんな地方議員らが動いてくれるように指南できないらしい。だから、そう簡単に配川さんを外せないという事情があるのでしょう」(政界関係者)

 安倍事務所に質問すると、文書で回答した。

「配川氏は現在も私設秘書として働いているのか」という質問に対しては、

「ご質問の秘書は退職し、共産党機関紙に書かれているとされる『復職』した事実はありません」

 2019年の参院選で、河井案里氏の応援に安倍事務所から5人が派遣され、その中の1人に配川氏がいた、というしんぶん赤旗日曜版(21年1月31日号)の記事についての質問には、

「残念ながらご質問の記事は見ていません」
 
 という回答だった。

(AERA dot.編集部・上田耕司)

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上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

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