あれから3カ月以上が経過した。配川氏と面識があり、安倍夫妻の結婚のキューピット役を務めた元山口新聞東京支局長の濱岡博司氏はこう話す。

「配川さんはもともと、山口県西部の秋芳町の出身で、晋ちゃんの父親の安倍晋太郎元外相の後援会青年部にも入っていたみたいだね。晋太郎さんが亡くなり、秘書として頭角をあらわしていった」

 「桜を見る会」の疑惑で秘書を辞職した一連の経緯については、こう見る。

「誰を招待するかなど、相当部分を晋ちゃんと昭恵さんが決めていたと思いますよ。何でもこの2人が指図していたからね。配川さんは安倍事務所で秘書として長いことメシを食わしてもらった恩義があるから、ドロをかぶったんでしょう。配川さんにとっては、安倍事務所に出入りしていれば、これからもメシが食えるんじゃないかな」(濱岡氏)

 配川氏の名前は、おととしの参院選をめぐる大規模買収事件で、河井案里元参院議員が公職選挙法違反(買収)などの罪に問われ、当選無効となった事件でも浮上した。

 しんぶん赤旗日曜版では、案里氏の夫で、公選法違反の罪で公判中の元法相・河井克行被告のアカウント名と思われる「あらいぐま」のLINEのやりとりを入手。2021年1月31日号で報じた。

 このLINEの文面には、

「安倍事務所 配川秘書より架電。(2019年)5月13日月曜、14日火曜に広島入りします。5人で入ります」

「今朝、安倍総理大臣の秘書さんたちが本部事務所に到着した瞬間に、スタッフ全員が表に出て拍手で迎えるようにと、〇さんから皆に指示させてください」

 などとある。

「編集部が情報公開請求し、安倍氏が代表を務める自民党山口県第4選挙区支部の政治資金収支報告書に添付された領収書の写しも入手しました。その領収書から、19年5月13日から翌日まで、広島市内のホテルに5人が宿泊し、5部屋分の宿泊費を支払ったことがわかります。これはLINEのやりとりとも一致します」(前出・しんぶん赤旗日曜版編集部)

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安倍事務所の回答は…