ゴールデンウイーク中に外遊を検討中の菅首相(C)朝日新聞社
ゴールデンウイーク中に外遊を検討中の菅首相(C)朝日新聞社

 
インドのモディ首相(C)朝日新聞社
インドのモディ首相(C)朝日新聞社

 新型コロナウイルスの猛威がとまらない。

【写真】菅首相がラブコールを送るのはこの人

 全国の新規感染者が7日、3000人を超え、大阪では過去最多の878人の新規感染者が確認された。そのほか、兵庫、奈良、和歌山、新潟の4つの県でも過去最多を更新。東京都では555人が確認され、全国の新規感染者の合計は3027人となった。

 政府は9日にも東京都にも新型コロナウイルス特別措置法に基づく「まん延防止等重点措置」を適用する方針だ。小池百合子都知事が感染状況の悪化を受け「国への要請の準備に入る段階にある」と表明していた。
 
 沖縄、京都など感染が拡大している他の府県への適用も検討している。

 そんな中、菅首相は4月下旬から始まるゴールデンウィーク中にインドを訪問し、モディ首相と対面での会談を行い、その足でフィリピンも訪れ、ドゥテルテ大統領と対面会談することを検討しているという。

「インド、フィリピン外遊は中国を意識した対応でやっておくべき、となったのですが、おそらくコロナ変異株が猛威を奮う今の状況ではゴールデンウィークも国民に外出自粛を呼びかける可能性が高い。巣ごもりでかなりストレスのかかる大型連休となるのに、真っ先にワクチンを打った菅首相らは大名行列で外遊、晩さん会となれば、怒りを買うこと間違いない。やることが全てトンチンカンでズレています」(政府関係者)

 日本医師会の中川俊男会長は7日、こう呼びかけた。

「これまでで最大の危機だと思います。第一に国民の皆様がコロナに慣れつつあり自粛という我慢の限界にあること。第二に感染力が強い変異株(ウイルス)が主体になりつつあること。早急に最初の緊急事態宣言時のように、国民の中に緊張感を呼び戻さなければなりません」

 国民だけでなく、官邸にも緊張感を呼び戻す必要があると語るのは、霞が関関係者だ。

「菅首相はそもそも外交音痴で、外遊してもたいした成果もないでしょうから、国内向けのアピールでしかありません。それなのに、こんな時期にわざわざ外遊を検討する神経がよくわからない。経済産業省の今井尚哉さんが首相補佐官だった時であれば、もう少し思慮深くメンバーで議論したでしょうが、今はすべての判断が場当たり的、短絡的です。菅首相に進言するブレーンがいない弊害がこんなところにも影響が出ているということです」

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ゴールデンウィーク後に政変も