ゴールデンウィーク前の4月25日には衆院北海道2区、参院長野選挙区、参院広島選挙区の3つの選挙区で、補欠選と再選挙が行われる。うち北海道は元農相、吉川貴盛被告が贈収賄事件で起訴されたため、自民党は不戦敗となる。

「長野はコロナで急死した羽田雄一郎元国交相の弔い合戦なので自民党候補はダブルスコアに近い差がついての敗北が濃厚です。広島も元法相だった河井克行、案里夫妻が約40人の地元議員らに現金をばら撒く、買収事件を起こしたので、自民党には不利です。3連敗すると政変がいつ、起こってもおかしくない」(自民党幹部)

 民主党政権時代、首相だった菅直人は2011年4月の統一地方選で敗北。5月の外遊中に民主党内で小沢一郎、鳩山由紀夫を中心とする一派が「菅おろし」の政変をしかけ、8月には退陣に追い込まれた。

「菅直人時代と重なりますね。官邸では補選の負けは織り込み済みです。とはいえ、菅首相の外遊中は国内が真空状態になりますから、衆院選挙での生き残りをかけて、トップの首を挿げ替える。こうした思惑で自民党内がクーデタ―に一気に動くというシナリオは現実的にありうる話です。ゴールデンウィークの外遊が菅首相にとって本当に卒業旅行になるかもしれませんね」(前出の政府関係者)

 ただ、最大の問題はポスト菅の不在だというのだから、国民はやってられない。(AERAdot.取材班)