昨年10月に市長控室に家庭用サウナやベッド、エアロバイク、電子レンジ、キャンプ用品などを持ち込む動画などが報じられ、全国区の「サウナ市長」と知られるようになった大阪府池田市の冨田裕樹市長。

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 池田市議会本会議でサウナ問題などを理由に3月末に冨田氏の「不信決議案」が提出されたが、否決となった。池田市議会は特別調査委員会(以下百条委員会)を設置。

「すでに百条委員会の調査では冨田氏の疑惑が真実となった。証明十分」
という賛成派に対し、反対派の「百条委員会の調査結果を待ってから刑事告訴も視野に」という主張が優勢となった結果だ。

 百条委員会の調査結果は4月12日に出るが、そこが不信任決議の「第2ラウンド」となる。

「百条委員会の調査結果をもとに、4月19日に市議会開催される予定だが、そこで再度、不信任決議案を出すことになる」(池田市議)

 AERAdot.では冨田氏が池田市関係者を恫喝したパワハラ疑惑で、物証となる音声を公開している。

 百条委員会では「パワハラはない」と否定する冨田氏に対し、「この音声は冨田氏のパワハラを証明する物証だ」と池田市議会でも、問題視されている。

 もう一つ、冨田氏のパワハラを証明するのが、一部メディアで最初にサウナ問題が報じられた直後の昨年10月29日、池田市役所の秘書課職員のA氏を池田市の元平修治副市長と冨田氏の後援会長でもあるT氏が呼び出した。

 その場で情報を外部に漏らさないよう、「秘密保持契約書」に署名、指印を強要した。その際の会話の録音データも記者は入手している。

 元平氏はその後に行われた百条委員会の証人尋問で「10月29日にA氏を呼び出しT氏と話したのは市長の指示」と認めている。

 さらに「動画や情報を流出させたのは、秘書課の2人しかいないと市長に言われた」とA氏を呼び出したことや「秘密保持契約書」にサインさせたことなどもすべて認めている。

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「懲戒免職、人生おしまい」と恫喝