「夫が育児を“手伝う”ではダメ」専門家が指摘 コロナ禍で「産後うつ」急増か  (1/4) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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「夫が育児を“手伝う”ではダメ」専門家が指摘 コロナ禍で「産後うつ」急増か 

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写真はイメージ(GettyImages)

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産後うつ病を含む、うつ病の主な診断基準

産後うつ病を含む、うつ病の主な診断基準

 首都圏1都3県における緊急事態宣言の延長が決まった。精神的な疲労が続くなか、急増しているといわれているのが産後うつ病だ。倍増のおそれが報道されながら、その異変に本人や周囲が気づけないケースも少なくないという。そうならないために、出産前後の母親やその周囲ができることは何か。ママ友マッチングアプリを運営する現役ママのカーティス裕子さんが、産婦人科・心療内科医で三児の母でもある小野陽子医師に話を聞いた。

【表】うつ病の主な診断基準

*  *  *
カーティス:産後うつとマタニティブルーズの違いを教えてください。

小野医師:産後うつ病は、妊娠中から産後4週間以内に発症するうつ病です。妊娠うつ病と産後うつ病を合わせて周産期うつ病といい、「ほとんど毎日の1日中続く気持ちの落ち込み」「睡眠障害」「気力の減退」など9項目(表)のうち5項目以上を満たす状態が2週間以上続くと「産後うつ病」と診断されます。「マタニティブルーズ」は一時的なもので、出産後数日以内に始まる生理的な反応。3人に1人くらいの割合で発症します。決定的な違いは、マタニティブルーズは数日で自然に改善されていきますが、産後うつ病は早期に発見して治療を開始しないと長引きます。

カーティス:産後うつ病は自己判断が難しいですね。まさか自分がうつ病だとは思いたくない気持ちもあります。

小野医師:この9項目はあくまでも医師の診断基準で、患者さん自身が自分で判断することはできません。精神科や心療内科を受診し、診断を受ける必要があります。ただ、「産後うつ病とはこういうものだ」という情報を知っておくことは大切です。そもそも産後に限らず、女性は男性の2倍、うつ病になりやすいといわれています。

カーティス:産後うつ病の原因は何なのでしょうか?

小野医師:正確な原因はまだわかっていません。ただ、うつ病は繰り返しやすく、妊娠前や妊娠中のうつ病、適応障害、マタニティブルーズなどの経験があると産後うつ病のリスクは高まります。その後は、育児中のうつ病にもつながりかねないので、当てはまる人は、そういうリスクがあると自覚しておくことも大切です。身体に負荷がかかった時どこに弱さが出るかという問題なので、疲れると頭痛がする人、眠りが浅くなる人がいるように、うつの症状が出るのも身体のシグナルのひとつです。あとは家族や周囲のサポート不足や経済的な問題など、環境要因もリスクだと考えられます。妊娠中の場合は予期せぬ妊娠、パートナーとの不十分な関係性なども考えられます。

カーティス:過去のリスク要因は変えられませんが、家族のサポート不足はこれから変えていける部分です。私は3月に2人目を出産予定ですが、1人目のときは産後うつ病になった自覚はありません。初産でならなかったら、その後もなりにくいのでしょうか?

小野医師:残念ながら可能性はあります。2人目以降は環境の負荷が増えるため、リスクは高まる可能性があります。赤ちゃん返りする上の子を見ながら、下の子におっぱいをあげて睡眠不足……ママがイライラすれば、赤ちゃんも上の子もイライラする。私は3人の子どもの育児をしていますが、家の中はカオス状態です。逆に、1人目での出産・育児の経験がプラスに働くことで産後うつ病にならない可能性もあります。オムツ交換でのトラブルや沐浴でのヒヤッとした体験、子どものちょっとした発熱での不安など一度は経験していますから、予測がつく訳です。人はブラックボックスには不安が高まりますが、想定しているものには対応しやすいです。


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