奥山 鼻歌で聞かせてもらったんですが、めちゃくちゃいい曲でした。今回レコーディングする曲とは別に、その朝倉さん作曲の歌も完成に向けて作業を進めているところです。 

――朝倉さんは日常的に作曲活動をされているんでしょうか?

朝倉 いや、日常的にはやっていません。その曲も移動中の車の中でふと思いついただけで、完全に素人です。確か2、3年前に思い浮かんで、そのメロディーが頭の中にずっと残っていて覚えていたんです。

――格闘家やYouTuber、プロデュース業などさまざまな分野で活躍する朝倉さんですが、なぜそれほど多彩な才能を持てたのでしょうか?

奥山 それって本当に謎ですよね。いまだに底が見えない(笑)。

北清水 僕らは音楽の世界で生きているので、その分野のことしかわかりませんが、歌がうまい人ってたくさんいます。地声のよさとか音程の取り方とか。でも歌には「うまい」の先に、もっと奥の深い世界がある。詞やメロディーにのせたメッセージや感情といった曲の本質を聞き手に届けられるかどうかという世界です。朝倉さんの歌にはその本質がある。

朝倉 いやいや、ほめすぎでしょう。このインタビューもドッキリなんじゃない? 

奥山 さすがにレコーディング直前にドッキリはしませんよ(笑)。とにかく本当に音楽や歌うことが好きなんだと思います。僕らよりも歌を知っているくらいですから。

――北清水さんが作曲した曲を聴いてどのような感想を持ちましたか?

朝倉 聞いた直後はすぐに言葉が出てこないくらい、いい曲だなと感じました。「雨の遊園地」に似た切ないメロディーがとてもよかったです。あとは「卒業」という単語が頭をよぎりました。初めはラブソングというか失恋の歌というイメージだったんですが、会えない、会えなくなった大切な人を思うのって恋愛だけに限らない。恋愛や卒業などに限定されずに、聞く人によって、いろんな幅を持たせられるような、多くの人が感情移入できるような曲にしたいと話し合いました。

北清水 朝倉さんからでてくる言葉や発想はアーティストそのもの。さきほどの話ではないですが「なんなんだこの人は」って本当に思います。

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