■かご2つを使ったローリングストック

(1)かごを2つに同じものをストックする

 今お使いの食料品のストック、どんな入れ物に入れていますか? カゴにまとめて入れている、という方、多いのではないでしょうか。そのかごとまったく同じものをもう一つ、作ってしまいましょう。そうすればその増やした1かご分がまるまる備蓄となります。

(2)片方のかごから使う

 全く同じかごを作ったら、片方のかご(仮にかごAとしておきましょう)から使い始めましょう。もう片方のかご(仮にかごBとしておきます)は存在しないと思ってください。

(3)なくなったら、もう片方を使い始めて、なくなった方を補充する

 かごAの中身がなくなったら、かごBの中身を使い始めましょう。同時に、かごAの中身を元通りに補充してくださいね。かごAの中身はなくなっているので、そのまま入れれば大丈夫。

■ローリングストックを続けるポイント

 ローリングストックに向いている食材は、ある程度賞味期限が長く、常温保存ができるもの。わが家では普段使いの缶詰やレトルト、瓶詰や乾麺、ルーなどをローリングストックしています。大体1~2か月ぐらいで使い終わる量を1かご分に決めているので、きちんとローリングできていれば賞味期限を気にすることなく食材を使えます。かごAの缶詰がひとつ残ってしまったら、かごBの一番上に乗せてあげましょう。そうすれば、その缶詰から使い始めることができますね。

 どちらのかごを使っているのかわからなくならないように、目印をつけておくのもお勧めです。「わたししか使わないから大丈夫」と思うかもしれませんが、お子さんがレトルトカレーを食べてしまうかもしれないし、ご主人が晩酌のつまみに缶詰を失敬するかもしれません。目印を付けて、ご家族みんなに知らせておきましょう。一人暮らしの方でも、ついうっかり使っていない方から使わないように、目印を付けておけば安心です。わが家では、使っている方のかごに矢印クリップをつけて区別しています。クリップを付けかえるだけなので、簡単です。

 この方法ならズボラさんでも、365日賞味期限切れを回避できるのではないでしょうか。

 今回の地震で、あたらめて日ごろの備えの大切さを痛感したのではないでしょうか。この記事が防災備蓄を始めるきっかけになることを祈っています。(文/防災備蓄収納マスタープランナー・防災士 堀中里香)

堀中里香(ほりなか りか)/1972年、東京都生まれ、栃木県在住。元ソニーのソフトウェアエンジニアとしてAIBO・QRIOの研究開発、UIデザイナ―としてXperiaの開発に携わる。退職後に整理収納アドバイザーと出会い、整理収納の考え方がUIデザインの考え方と似ているという気づきから興味を持ち、2014年に整理収納アドバイザーの資格を取得する。一方、2011年3月の東日本大震災では都内で被災。ボランティア等で東北を訪れるうちに防災備蓄を整理収納と合わせて伝えたいという思いが高まり、2017年4月に防災備蓄収納マスタープランナー、2019年12月に防災士を取得。現在、「あなたのいえのかたづけこびと、そだてませんか」をモットーに、日常は整理収納で、非常時は防災備蓄で、安全で安心な暮らしをサポートする。防災を考慮した整理収納サポートや、オンラインでの整理収納×防災備蓄セミナーが好評。整理を習慣づける週一オンライン部活動『みんなでおかたづけクラブ』も行っている。NHKひるまえほっと出演。ブログ『かたづけこびとのみつけかた』 https://ameblo.jp/karikanariho/