2021年で結成7シーズン目を迎える村上めぐみ・石井美樹ペア(写真提供・ビーチバレーボールスタイル)
2021年で結成7シーズン目を迎える村上めぐみ・石井美樹ペア(写真提供・ビーチバレーボールスタイル)

 2021年5月頃に東京オリンピックに出場するチームを決める代表決定戦の開催が予定されているビーチバレーボール。オリンピック出場に関わるポイント獲得レースは、2018年9月からスタートしていたが、その間ペアを解散し、新たにペアを結成するチームがいくつも存在した(東京オリンピック開催延期の決定以前)。

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 たびたび解散劇を繰り返すビーチバレーのペア。そもそも選手たちは、ペアリングをどのように決めているのだろうか。また、長くペアを組むことでもたらす結果とは? 究極のチームスポーツと言われるビーチバレーのペアの秘密をこれまでの取材を元に探ってみる。

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 スポーツには2人で行う競技が複数、存在する。聞くところによると卓球やバドミントンは頻繁にペアを解散しない競技だという。それは企業スポーツという環境からチームの監督がペアを決めるという基盤があり、選手の選択肢も限られているからだ。

 一方、ビーチバレーはどうだろう? 一企業が強化スポーツとして取り組んでいる会社やプロチームも存在するが、それはごく一部。だいたいの選手が個別で企業に所属するかスポンサー契約を結び、競技に専念できる環境を用意されているのが現状だ。

 よってビーチバレーのペアは、選手個人の意志で決めることがほとんど。一度決めたら、近い距離で長い時間を共有することになる。それゆえ、「恋人」や「夫婦」に近い関係だと考える選手も多い。

 実際のところ、選手たちはどのような基準や条件で、パートナーを選んでいるのだろうか。以前、専門誌の特集において「パートナーの条件」というテーマで14人のトップ選手を取材したところ、9人が最優先する条件として「目標の一致」を挙げていた。日本女子ビーチバレートップランカーの村上めぐみ(オーイング)は言う。

「目標到達のために必要なものを持っている人にパートナーになってもらえないかとお願いしています。私の今の目標は『オリンピックでメダルを取ること』。プレー面では、身長のない私が勝つためにはブロッカーと組むことが必要です。自分の特徴、性格を考えるとさらに限られてきます」

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パートナー探しには駆け引きも?