「単なる残虐ショーではない」 プロレスラー葛西純が語るデスマッチの“無限の可能性” (1/3) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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「単なる残虐ショーではない」 プロレスラー葛西純が語るデスマッチの“無限の可能性”

山岡則夫dot.
プロレスラーの葛西純(写真:高橋慶祐/協力:株式会社blueprint/取材協力:プロレスリングFREEDOMS)

プロレスラーの葛西純(写真:高橋慶祐/協力:株式会社blueprint/取材協力:プロレスリングFREEDOMS)

傷だらけの肉体で戦い続ける葛西純(写真:高橋慶祐/協力:株式会社blueprint/取材協力:プロレスリングFREEDOMS)

傷だらけの肉体で戦い続ける葛西純(写真:高橋慶祐/協力:株式会社blueprint/取材協力:プロレスリングFREEDOMS)

「デスマッチを知らないのはもったいない」

 プロレスラー・葛西純は胸を張って言い切る。

【写真】一体何針縫ったの? 激闘を物語る葛西純の肉体

 全身には何針縫ったか分からないほどの壮絶な傷跡が残る。靭帯断裂や半月板損傷などを繰り返した両ヒザは、通常生活をするにも苦労するほど。それでもデスマッチが好きでたまらない。求めてくれる人がいるからリングに立ち続ける。

「デスマッチは単なる残虐ショーではない。戦っているレスラーの人生や生き様が素直に出るカテゴリーだと信じている。デスマッチを見て生きる糧になる人もいる。何かのきっかけになるかもしれない。単純に楽しく思えてスカッとするかもしれない。そういうものをたくさん持っていたら、人生がより幸せになると思う。多くの人に食わず嫌いではなく見て欲しい」

 椅子や有刺鉄線はもちろん、蛍光灯、ガラス、ノコギリなどを用いた戦いでは多くの血が流れる。戦後、力道山の時代から知られる、俗に言う『純プロレス』とは異質の世界。しかしそこで行われているのは、殺傷まがいの野蛮な『傷つけ合い』ではない。生死の危機を感じる状況下でも、伝えられるものがあると信じている。

 北海道・帯広市出身。高校卒業と同時に上京、警備会社に就職。寮生活でガードマンの仕事をしながら、トレーニングジムで鍛え始めた。プロレス好きは変わらなかったが、忙しさに流される日常。多少のお金を持つ健全な社会人男性は風俗遊びにハマり、HIVウイルス感染の恐怖を持ち始める。意を決してのウイルス感染検査受診が、最初のターニングポイントだった。

「これはやっぱり感染しているんじゃないか。だったら、俺っちの人生は何だったのか。自問自答したあげく、じゃあ、これで陰性だったら。本当に自分のやりたいことをやろう。今やっているガードマンの仕事を辞めて、プロレスの入門テストを受けようと決意した」(*)

 生命の危機を本気で考えた。HIV検査陰性の結果を知り、プロレスラーを本気で目指すことにした。


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