宮国もその後、方針を変え同じ右腕の菅野智之の自主トレに同行するようになったが、なぜクビになった今、結果に結びつかなかった「内海塾」への参加を再び決意したのか。

 先の球団関係者は意図を推し量る。

「いま一度あの猛練習に耐えることで自分の弱さを変えようと、最後の賭けに出たのかもしれませんね。宮国はまっすぐ、落ちる球はいいものを持っていて、まだまだ一軍レベルで通用するはず。弱点は、横の変化球の精度にあります。特に右打者へのスライダー、シュートがここぞの場面で甘く入って打たれてしまう悪癖が、どうやっても直らなかった。技術ではなく、精神的なもろさが原因だと指摘されています。生真面目な性格ゆえか、考えすぎて腕が縮こまってしまうのです」

 例えば昨季の7月5日の中日戦。右打者のビシエドに浴びた特大の一発は、内角へのシュートが捕手の構えより甘く入り痛打されたものだ。

巨人では限界でしたが、精神的にふっ切れさえすれば、まだ十分に活躍できます。宮国が変わるために、内海がどう内面を鍛えるのかがカギになると思います」

 春季キャンプでテストを受け合格し、選手生命をつないだ選手は複数いる。宮国にオファーがあるかは定かではないが、まずは鬼の師匠のもとで心を鍛え、その時を待つしかない。(AERAdot.編集部)