女子サッカー日本代表の高倉麻子監督 (c)朝日新聞社
女子サッカー日本代表の高倉麻子監督 (c)朝日新聞社

 日本女子サッカー界も、12月29日(火)に決勝戦が行われる皇后杯第42回全日本女子サッカー選手権で、トップカテゴリーの活動は、ひと区切りつく。すぐそこに迫っている2021年は、日本の女子サッカー界にとって、大きな意味を持つ。

 高倉麻子監督率いるなでしこジャパンの2021年初キャンプは、1月下旬に行われる。この秋に行われた2回のフル代表合宿と今月のなでしこチャレンジプロジェクトで呼ばれた選手から選抜されたメンバーに、コンディション不足などで参加できなかった一部の選手が加わる予定だ。

「その後に行われる、本当に大事な大会に向けて、オリンピックで軸として期待するような選手たちを呼ぼうと思いますが、数名についてはテスト的な位置づけにもなるかと思います。また、大会の前段階で、コンディションを整えることと、定期的な確認の意味もあります」(高倉監督)

 指揮官が「本当に大事な大会」と位置づけるのは、2月にアメリカで開催されるシービリーブスカップだ。4カ国の強豪によって、総当たりのリーグ戦形式で競われる大会で、なでしこジャパンは2021年も参加予定だ。オリンピックに向けて軸になる選手、秋のキャンプで目立った働きを見せた選手が中心になるが、そこに「インターナショナルな試合で戦えるかどうかを試したい選手というふうに考えています」(高倉監督)。

 この「試したい選手」について指揮官は、「これまで一線級との国際試合で自分の良さを発揮できなかった選手、または、まったく新しい選手」のふたつを示唆した。今秋に呼ばれた6名の初招集選手など実績不足のニューフェイス組は、この遠征に選出され、活躍することが、オリンピックへの道を切り開く手段になる。

 アメリカから帰国後、代表選手は各チームへ帰り、半月後の3月中旬に再集合。1週間のキャンプでは、シービリーブスカップで出た課題を確認する。インターナショナルマッチデーではないため、海外の選手は不参加の可能性もある。国内組にとっては大きなチャンスだ。

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東京五輪では結果は残せるのか?