その後、4月8日(木)にユアテックスタジアム、3日後の11日(日)にも開催地は未定だが、海外のチームを招いての親善試合が予定されている。

「4月、6月のマッチデーに組む試合というのは大事な試合になります。チームの骨格はある程度固まっていると思いますし、その辺りで全体を固めつつ、細部を詰めていくような形になっていくかと思います」(高倉監督)

 この4月のテストマッチ2連戦とほぼ同時期に、アフリカのカメルーンと南米のチリによる大陸間トーナメント(ホーム&アウェー)で、東京五輪参加の12チームすべてが決定。本大会の足音が大きく聞こえてくる。5月中旬の代表キャンプは、五輪メンバー18名の最終選考段階に入っていく。

 選手数はある程度、絞り込む予定ではいるが「2月キャンプから、シービリーブスカップ、3月キャンプ、4月の親善試合とやってきて、それでも見極めが困難な状況になれば、ちょっと多めになるのかもしれません」と高倉監督。

 6月に入れば、オリンピックはすぐそこ。6月10日(木)はエディオンスタジアム広島、13日(日)にはカンセキスタジアムとちぎで、国際親善試合が行われる。6月下旬からのキャンプで、最終的なブラッシングが行われるだろうか。

 18名のメンバーは、プロリーグであるWEリーグ所属(プラス海外チーム所属)選手で構成されるのが既定路線だが、アマチュアリーグからの移行期ということもあり、全ての選手が対象になるという。

「大部分はWEリーグの選手になるかと思いますが、どのリーグであっても見逃さないように、成長や変化を見つけていきたいなと思っています」(高倉監督)

 そして、7月14日(日)の壮行試合(サンガスタジアムby KYOCERAで開催)を経て、第32回東京オリンピックへ向かう。毎月、開かれる合宿と、そこに組み込まれるインターナショナルマッチ。2021年のなでしこジャパンは、超高速で駆け抜けていく。

「あっという間ですね。今年は、こうやって9月、10月まで、なかなか思うように活動ができなくて。動き出したら、こうやってアクセルを踏んで、フルスロットルで走り出していかなければいけないような感じです。選手、スタッフを含めて、それぞれいいパワーを出し合って、いいものを作り上げて行けたらいいなと思っています」(高倉監督)

 来年の8月、最高の景色を見るために、いい準備を期待したい。(文・西森彰)