謝罪会見を開いた渡部(撮影:伊ヶ崎忍)
謝罪会見を開いた渡部(撮影:伊ヶ崎忍)

妹尾ユウカさん
妹尾ユウカさん

 不倫発覚から活動自粛していた渡部建(48)が12月3日に謝罪会見を開いた。複数女性との不倫や年末に放映予定のテレビ番組への出演の真意などについて質問が相次いだが、明言を避ける渡部の様子に、早くも“ぐだぐだ会見”や“フルボッコ会見”と揶揄するメディアも多い。ネット上では「会見が遅すぎる」「もう顔も見たくない」といった批判が集中する一方、「いじめではないか」と報道陣を批判する声も聞かれた。そんな“異例”の会見をインフルエンサーとして活躍するコラムニストの妹尾ユウカさんはどのように見たのだろうか。

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 謝罪会見を見て、いじめと周囲から“イジられる”ことの違いについて深く考えさせられた。もちろん渡部さんは、ご家族や多目的トイレを本当に必要としている方々などに対してきちんと謝罪をすべきだと思う。でも、それ以上にレポーター陣からにじみ出る、学生時代をほうふつとさせるいじめのような空気感の方が嫌悪感を抱くものだった。

 不倫関連の謝罪会見では「世間の皆さまをお騒がせし、多大なるご迷惑をおかけしてしまい大変申し訳ありませんでした」という言葉がテンプレート化しているが、そもそも当事者や関係者以外に他人の不倫で迷惑を被る人間がそんなにたくさんいるのだろうか。それに、妻の佐々木希さん(32)や関係者、出演した番組などに対して謝罪するのは当然のことだが、あのような会見をしたところで彼らがきちんと謝罪を受けた気になるわけでもないだろう。これらのことを踏まえて考えると、公に向けた大々的な謝罪会見自体の必要性が見えなくなる。会見は不祥事を起こしたタレントが芸能界復帰に至るためのパフォーマンスの一つであり、それに我々“世間の皆さま”が付き合わされているだけなのではないか。

 そう考えると、先日の謝罪会見で私が感じた「いじめのような空気感」も仕組まれたパフォーマンスの一つだったのかもしれない。当人を困惑させるだけの不適切な質問も、弱い立場に置かれた人間を痛めつける空気感も、世間の厳しい目を和らげて少しでも同情を買うためのパフォーマンスなのではないか、と疑うほど冷ややかでやるせない会見だった。

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