おもち氏は、「こうしたあしき慣例の影響をもろに受けるのは若手だ」と嘆く。

「採用抑制の影響で、ただでさえ20~30代が少ないのに、非効率な作業の多くは事務作業であることから、少ない若手に集中します。政治家と役所の関係上、官僚側から『やめましょう』とは切り出しづらい。若手ならなおさらです。仮に95%の議員が要らないと思っていても、古い考えを持つ、残り5%の議員が必要だと言ったら、ハレーションが生じてしまうので、それを恐れてしまう。変えられない原因は結局、力関係によるところが大きいと思います」

 時代錯誤な慣習がはびこる中、おもち氏は改革の突破口として、河野氏に大きな期待をかける。

「(河野氏は)何年も前からボトムアップで苦戦していたことを、たった数カ月で変えることができた。世襲議員で地元での地盤が強く、ネットでも絶大な人気がある河野さんだからこそ、長期的に見て日本にとって何が大事なのか判断し、思い切った改革ができる。河野さんには、若手から声を吸い上げて、何が無駄で何が非効率を判断し、実行できる力がある。実際、SNSで若手の官僚と思われる人をフォローして、情報収集をしているようです。トップダウンだと若手の負荷が一気にかかることもありますが、霞が関にはトップダウンの改革が必要不可欠です。今後も若手の意見を取り入れながらも、トップダウンで改革をやりきってもらいたいです」

 行革相就任から約2カ月。河野氏が提唱する霞が関の「ホワイト化」は実現されるのか。手腕が注目される。(取材・文=AERA dot.編集部・飯塚大和)