ただ、彼ら2人にとって海外移籍へのネックになるのが、年齢だ。世界レベルで選手発掘の若年化が続いており、三笘の23歳、旗手の22歳という年齢は、欧州クラブが“青田買い”するにはギリギリの年齢。この2人以外にも、豊富な運動量と高いボール奪取能力で中盤を支えるMF安部柊斗(FC東京)、攻守に高いクオリティーを誇るMF田中碧(川崎)、先日の横浜FM戦で超絶トラップからのゴラッソを決めたFW上田綺世(鹿島)、日本人離れした身体能力を持つDF立田悠悟(清水)などの名前が挙がるが、彼らも現在22歳。中堅クラブで欧州の生活を楽しむのならば年齢は問わないが、渡欧後にビッグクラブへステップアップを果たして行くためには、20歳前後で欧州サッカー界に身を投じないと現状、難しい部分がある。中田英寿と香川真司が渡欧したのは、ともに21歳だったのだ。
そう考えると、前述した斉藤や久保建英(ビジャレアル)のように、もう一つ下の世代がターゲットになり、まずはセレッソ大阪の堅守を支えるセンターバック、瀬古歩夢の名前が挙がる。2000年6月7日生まれの20歳。強力な助っ人外国人を封じ込める強さと高さ、物怖じしないメンタリティーを持ち、今年度のルヴァンカップのニューヒーロー賞にも選ばれた。冨安健洋(ボローニャ)の成功もあって日本人DFに対する評価は上昇中で、欧州クラブから“見つかる”のも時間の問題。名将ロティーナの存在に加え、香川真司、乾貴士を輩出したクラブに所属していることも、欧州スカウト陣からすれば手を出しやすい存在と言える。
今季から名古屋グランパスの右サイドバックを担う成瀬竣平も、海外の舞台への挑戦が期待される注目の若きタレントだ。2001年1月17日生まれの19歳。小柄ながらも攻撃時にはスピードに乗った仕掛け、守備時には闘志を前面に出し、何よりボールを持った際の落ち着き、判断力が素晴らしい。元々アタッカーであったことから攻撃センスも抜群で、U-19代表合宿で内田篤人ロールモデルコーチからアドバイスを受けながら日進月歩の成長を続けている。身長165センチと、サイズ面で不利を抱えるが、そこを他の部分でどれだけカバーできるか。日本人サイドバックの有能ぶりは、すでに欧州クラブ内で認知されているだけに、すぐに獲得リストに挙げられるはずだ。