セレッソ大阪・瀬古歩夢(右) (c)朝日新聞社
セレッソ大阪・瀬古歩夢(右) (c)朝日新聞社

 サッカー日本代表が5日、今月のオーストリア遠征(13日・パナマ代表、18日・メキシコ代表※開催の日付は日本時間)の招集メンバー24人を発表した。先月のオランダ遠征に続いて“オール海外組”となったが、その選考対象となった欧州クラブ所属の日本人プレイヤーの数は年々、増加の一途をたどっている。今冬の移籍市場へ向けても先日、横浜FC所属の19歳FW斉藤光毅の欧州移籍(ベルギー2部ロンメル)が報道されたばかりだが、まだまだJリーグには「未来の海外組」と言える有望な若手が多くいる。

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 今季最大の発見であり、早くも海外から熱視線を送られているのが、首位を走る川崎フロンターレの大卒ルーキーMF三笘薫だ。1997年5月20日生まれの23歳。左サイドからダイナミックかつ変幻自在なドリブル突破でチャンスを創出し、ゴール前では冷静かつ豪快なシュートを繰り出し、出場22試合で11ゴール。途中出場が多い中、出場時間(1058分)で換算すると、94分間で1得点を挙げている計算となる。

 縦への推進力は1999年ワールドユースの本山雅志を彷彿とさせ、背筋が伸びた美しい姿勢でのボールタッチは乾貴士に通じるが、先人たちにやや不足していた得点力が、三笘の価値をさらに高めている。すでにこの活躍ぶりを大々的に取り上げる海外メディアも出てきており、東京五輪の開催と出場が叶えば、間違いなく魅力的なオファーが次々と舞い込むはず。あとは三笘の決断次第になるだろう。

 同じく、川崎フロンターレの大卒ルーキーで東京五輪世代のFW旗手怜央も売り出し中の若手Jリーガーだ。1997年11月21日生まれの22歳。U-22日本代表の一員として参戦した昨年のトゥーロン国際のチリ戦でハットトリックを決めて名を売ると、Jリーグの舞台で力強さと勝負強さが一気に増し、出場24試合で5得点。J初得点となった神戸戦での胸トラップからの左足ボレー、清水戦での地を這うミドル弾など印象的なゴールを決めた。前線ならどこでも対応可能。豊富な運動量で汎用性の高いアタッカーに対して、必ずオファーが届くはずだ。

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海外挑戦は早いほどいい?