女性芸人の「ブス」「デブ」いじりはいけないのか? 尼神インター誠子が出した答えとは (2/2) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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女性芸人の「ブス」「デブ」いじりはいけないのか? 尼神インター誠子が出した答えとは

連載「道理で笑える ラリー遠田」

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尼神インターの誠子(C)朝日新聞社

尼神インターの誠子(C)朝日新聞社

 尼神インターの誠子が本名の「狩野誠子」名義で出版した初めての著書『B あなたのおかげで今の私があります』(KADOKAWA)を読むと、彼女がこれまでの芸人人生の中で時代の変化を敏感に感じて、それに対応してきたことがわかる。

 彼女は学生時代に男子から陰で「ブス」と呼ばれていたことにショックを受け、内向的な性格になってしまった。お笑いの面白さに目覚めて芸人の世界に入ると、ブスを名乗ることが人を笑わせるための武器になることに気付き、好きな仕事に打ち込んで充実した日々を送るようになり、性格も前向きになった。

 だが、大阪から上京してからは、時代の変化と共にブスいじりをされる機会も少なくなり、むしろ「かわいい」「笑顔が素敵」などと褒められることも増えた。本書の最後には、もはや芸人としてブスという武器を必要としなくなった彼女が、自分の中で「B」と名付けていたブスに別れを告げる場面が出てくる。

 本書で描かれているのは、1人の芸人が笑いに対して真摯に向き合い続けてきた一連の過程である。ブスいじりがありかなしかは世間が決めること。個々の芸人たちは、ただ純粋に人を笑わせたいだけなのだ。(お笑い評論家・ラリー遠田)


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ラリー遠田

ラリー遠田(らりー・とおだ)/作家・お笑い評論家。お笑いやテレビに関する評論、執筆、イベント企画などを手掛ける。『イロモンガール』(白泉社)の漫画原作、『教養としての平成お笑い史』(ディスカヴァー携書)、『とんねるずと「めちゃイケ」の終わり<ポスト平成>のテレビバラエティ論』 (イースト新書)など著書多数。近著は『お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで』(光文社新書)。http://owa-writer.com/

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