入会から結婚に至るまでの期間はコロナ前より短い傾向にあるといい、1~6月の成婚数は前年比で10%増だったという。こうした社会不安の中で結婚を求める人が増えるということは、過去にもあった。

「東日本大震災の後にも、入会者や成婚率は大幅に伸びました。『絆婚』なんて言葉も生まれましたね。有事には、普段は意識していなかった自分の価値観が、あぶりだされていきます。例えば今なら、手洗いやマスク一つとっても、人によって考え方が全然違いますよね。そんなとき、自分と価値観が近く、ストレスなく一緒にいられるパートナーと支え合って生きていきたいという気持ちが芽生え、結婚を意識する人が増えるのではないでしょうか」

 そうはいっても、コロナ禍でこれまでのような婚活ができない中で、どのように出会えばいいのだろうか。須野田さんの相談所では、会員それぞれのコロナに対する考え方に合わせて、対面とオンライン両方の婚活サービスを提供しているという。

「感染対策をしながら対面で人と会いたいという人に対しては、マスクや消毒、ソーシャルディスタンスなどを徹底したうえで、通常のお見合いのほか、男女合わせて10人程度の少人数のパーティーを開催しています。一方、人と直接会うのは抵抗があるという男女に対しては、オンラインでのお見合いや婚活パーティーを行っています」

 オンラインでのお見合いも、実際のお見合いと流れは基本的に同じだ。ウェブ会議アプリを使って、男女各1人とそれぞれのアドバイザー計4人でまずあいさつなどを行い、その後アドバイザーは抜けて2人でトーク。終了間際に再度アドバイザーが参加してお見合いを終えたら、それぞれのアドバイザーが個別に相手への印象などをヒアリングするという。

次のページ