■学校選択にも役立つ 幸せの四つの因子

 この四つの因子は、家庭だけでなく学校生活でも培われていくものだと前野さんは考えている。だから学校選びのときも、この四つの観点で学校をチェックする必要がある。

「まず見たいのは、わが子の個性に合う学校か否か。その子の興味や関心を高めてくれる学校であれば主体性が養われます(第1因子)。次に、教師と児童、そして児童どうしのつながりの中に、思いやりや助け合いがあるか(第2因子)。さらに失敗を恐れずチャレンジできる自由な空気があるか(第3因子)、子どもの自己肯定感を育てているか(第4因子)
も忘れずに見てください」

 その四つはどこで見分けられるのか。前野さんは「アクティブ・ラーニングの授業を見学しましょう」という。これは文部科学省が推し進める授業形態で、グループワークなどを通して積極的かつ能動的に学習に取り組むことを目的としている。

「就職試験は、グループワークによる試験が一般的です。企業はそこでリーダーシップや、ディスカッション能力を見る。しかし学校教育でその訓練はほとんどできていません。私立校はどこも『アクティブ・ラーニングを推進』と言いますが、実際には学校間格差が大きいですね」

 英語教育もまた見落としてはいけない要素だと前野さんは考える。

「語学を学ぶことは子どもたちの視野を広げます。視野が広がると世界にはいろんな人がいると自然に理解し、寛容になれる。楽観的な気持ちにもなります。英語力があることで活躍の場を世界に広げ、気がつけば幸せな人になるのです。私自身、米国に住んだ2年半が幸福に多大なる影響を与えてくれたと思います」

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