木村:その子にとって必要なタイミングで、集中して学ぶからでしょうね。そして彼らは、知らないことを知らないと言える。そこが強い。

高濱:それ、ものすごく重要。

木村:「自分で育つ力」を身につけてきているから、知らないことを恥ずかしいと思わずに、素直に学べる。人の力を借りるのも上手です。

高濱:知らないことを知らないと言えるかどうかは、学校や塾の文化次第なんだよね。大人次第ってこと。

木村:「子ども主体」とか「他者を尊重」とかどの学校も似たようなお題目を掲げていますが、骨抜きにされている学校も多いですね。行事を見るとわかりますよ。保護者の満足のためか、本当に子ども主体なのか。

高濱:学校のトップが自分の哲学とビジョンを本気で語れるかも見なくちゃ。学校パンフレットには書いていないその部分を見抜くのは大人の役目ですからね。

木村:大人はそれだけやって、あとは子どもに任せましょう。

高濱 それが正解、だね。

高濱正伸(たかはま・まさのぶ)
1959年本県生まれ。「作文」「読書」「思考力」「野外体験」を主軸にすえた学習塾「花まる学習会」、小学4年~中学3年生を対象にした進学塾「スクールFC」を設立。保護者対象の講演会や著書も多数。

木村智浩(きむら・ともひろ)
奈良県生まれ。(株)ガイアックスのチーフカルチャーオフィサー。ブランド、文化づくりと新規事業開発を担当。4児の父。モンテッソーリ教育を学び、子どもたちはきのくに子どもの村学園へ通う。
(『AERA English特別号 英語に強くなる小学校選び2021』より)

(文/神 素子)