Jリーグの判定基準に苦しんだのが、2004年夏から浦和で1年間プレーしたDFアルパイだ。2002年のW杯日韓大会ではトルコ代表として3位躍進に貢献し、大会のオールスターチームの一人にも選ばれた屈強な男だったが、持ち前の「強さ」と「激しさ」がJリーグでは「荒さ」として悪目立ちし、相手に激しく当たればファウルを取られ、その判定に感情的になっては主審からの印象が悪くなるという悪循環。

 2004年のセカンドステージ制覇には貢献したが、翌2005年は鹿島との開幕戦で両チームヒートアップした中で鈴木隆行の口元を手で押さえ付けて一発退場になると、出場停止明けの大分戦では1枚目のイエローカードに対して感情露わにペットボトルを蹴り飛ばして再び退場。その後は出番が得られず、そのまま契約解除で退団となった。

 現役Jリーガーでは、横浜FCに所属するレアンドロ・ドミンゲスだ。2010年から柏でプレーし、2011年にはJ1昇格1年目のチームを優勝に導き、自身はリーグMVPに選ばれた。正確なキックとボールコントロールをベースに、動き出しの速さとシンプルなプレーでチャンスを作り出す現代的テクニシャンだが、試合中に頭に血が上りやすい性格で来日直後から多くのイエローカードをもらった。

 2012年の最終節・鹿島戦で暴力行為を働いて公式戦3試合出場停止処分となり、2014年のプレシーズンマッチでは相手への肘打ちで一発退場。同年4月のナビスコ杯でも乱暴行為で退場となった。「高い攻撃性能」の中に「気性難」が同居し、最終的にはネルシーニョ監督との確執が伝えられた中で、ロッカールームでの暴言、クラブの規律違反で柏を退団。その後、名古屋へ移籍して1年間半プレーした後、ブラジルに帰国。2017年にJリーグに復帰して横浜FCでプレーを続けている。

 もちろん相手を怪我させるようなラフプレーは許されない。相手への暴行や主審への暴言も同様だ。しかし、時には気性の荒さが「魅力」として映ることもある。常に真面目で冷静ではつまらない。ハラハラするからこそ、面白いのだ。今後も、気性の荒い、魅力的な外国人選手たちの来日と活躍に期待したい。