1軍昇格も結果が残せずにいる中日・根尾昂 (c)朝日新聞社
1軍昇格も結果が残せずにいる中日・根尾昂 (c)朝日新聞社

 中日・根尾昂は1軍にいる限り試合で使い続けるべきか……。

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 今季も2軍からのスタートだったが、成長を感じさせ1軍に合流。しかし上では目立った活躍ができず、先発出場しても早々と見切られての交代が続く。1軍半レベルの扱い方に見えるが、今の根尾はどういう立ち位置なのか。

「試合中盤での交代は考えられない」

 中日担当記者は記者席で驚きの声が上がった、と振り返る。

 8月6日横浜でのDeNA戦、根尾は8番左翼で先発出場したが、2打席凡退後の5回裏途中に早々とベンチに退いた。

「打席での内容は良くない。でもスタメン出場させるのなら、使い続けなければ意味がない。連日の試合途中での交代では、良いものを持っていても育たない。試合に慣れるだけなら、代打や守備固めでも良い。スタメン出場することで、1試合通しての試合勘やペース配分も身につく。それが積み重なって経験になるはず。今の使い方には疑問符がつく」

 18年オフのドラフト1位で4球団競合の末、大阪桐蔭高から中日に入団。ルーキーイヤーの昨年は大半を2軍で過ごし、シーズン終盤に1軍合流したが、2試合出場2打数ノーヒットに終わった。2軍では108試合出場、打率.210、2本塁打、33打点の成績だった。

 今季はウエスタン・リーグで主に3番打者として22試合に出場、打率.282、2本塁打、16打点の成績。1軍で十分対応できるだけのものを感じさせ、8月4日に1軍昇格を果たすと、即スタメンにも名を連ねた。しかし、9日時点で4試合に出場して9打数無安打とヒットが出ていない。

「プロ初安打がいつ出るかは問題ではなかった。それよりも育成方針がよくわからない」

 中日OBは将来を担う素材の先行きを心配している。

「打撃フォームをマイナーチェンジして振り込んでいる最中だったので、開幕2軍は納得できた。形になりつつあり、結果を出して上げたのなら、1軍の中でも使いながら育てて欲しい。そのためには結果にとらわれず、ある程度の打席は任せないといけない。このままでは1・5軍の選手で止まってしまう」

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「守備に関してもどうしたいのか見えない」