どのくらいの頻度でメインテナンスをするかは口の中の状態や全身の状態によって変わります。通常は治療でポケットが2~3ミリになったら2~3カ月後に1回メインテナンス、状態がよければ次は4カ月後、さらに次は6カ月後というように間隔をあけていき、そこからはよい状態が続いていても最低6カ月に1回はメインテナンスをおこないます。

 糖尿病患者や喫煙者など歯周病のリスクが高い人、セルフ・ケアが難しく、口の中が汚れやすい人などはもっと短い間隔でメインテナンスをすることもあります。

■メインテナンスでおこなうこと

【口の中を診察】
 歯周病の再発がないか、新たに歯周病ができていないか、丁寧に歯周組織の検査をおこないます。

【口腔衛生指導(プラークコントロール)】
 患者さんは歯周基本治療の際にブラッシングの指導を受けていますが、時間がたつにつれて、以前の癖が出て、磨き残しが増えてきていることが多いものです。そこで歯肉を染め出して観察しながら磨けていない部分をチェックし、患者さんに手鏡で見てもらうなどしながら、必要に応じてセルフ・ケアの指導をしていきます。

【スケーリング・ルートプレーニング】
 セルフ・ケアだけでは取り除けない、歯面や歯と歯肉の間に残っているプラークや歯石を取り除きます。進行した歯周病の場合、症状が安定した後も歯周ポケットが残っていることが多く、この場合はスケーリング・ルートプレーニングやポケット内の洗浄をおこない、プラークを取り除きます。

【かみ合わせなどのチェック】
 口の中は時間がたつと新たにむし歯ができることもありますし、かみ合わせに変化が生じることもあります。こうした変化をチェックし、必要があればかみ合わせの調整治療をおこないます。喫煙しているかどうかを確認し、禁煙できない場合は禁煙のアドバイスをすることも大事です。

【必要に応じて再治療】
 歯周病の再発や新たな歯周病が見られたら、再び積極的な治療を開始します。ただし、歯科医師の指示通りにメインテナンスを受けていれば、こうした可能性は低く、たとえ歯周病が発症しても早期のうちに処置ができます。

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歯周病は生活習慣病のひとつ