そもそも、ホストを支えたいと思っている女の子側も仕事が激減しているので、最近は女の子からお金の相談を受けることも多くなりました。ホストに通う女の子には風俗嬢やキャバ嬢も多いですが、密を避けるために、そうしたお店も出勤人数、勤務時間を減らしている。女の子たちも“稼ぎたくても稼げない”という事情があるんです。私の元には「スマホが止まってしまう」「所持金が全くない」などの話が毎日のように入ってきます。緊急性が高い場合は、私のポケットマネーでサポートすることもあります。

 夜の街で働く女の子は、さまざまな事情を抱えています。そんな彼女たちにとって、ホストクラブは“メンタルケアの場”でもあるんです。ホストたちはそんな女性たちの精神安定剤的な役割もある。だから、外からの印象だけですべてを“悪”だと思わないでほしいです。夜の街の女の子に限らず、先の見えないコロナに対する不安が大きいのは一緒ですから。

――実際に、あおいさんは今もホストクラブへ通っているのですか。

あおい:プライベートでは行っていません。行くのは、YouTubeの撮影などの仕事があるときだけです。

 私も昔は200万円のシャンパンタワーなど、派手な遊び方をしていた時期もありました。でも今は“歌舞伎町に集まる人との付き合い程度”でしか利用しません。ホストは行きつくしましたからね(笑)。今は“歌舞伎町の案内人”としての活動に力を入れています。

 ――今後、新型コロナウイルスと「夜の街」はどう付き合っていくべきだと思いますか。

あおい:私たちは“withコロナ”の覚悟ができています。今回お話したたような感染対策や衛生管理を徹底して、信頼を積み重ねていくしかないと思います。それでも、イメージがよくなるとは限らないし、批判は消えないかもしれません。でも、私たちはコロナとなんとか共存しながら、どうやって夜の街を盛り上げていけるかをずっと考え続けるしかありません。頑張ります!
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 何かと批判されがちな「夜の街」だが、そこで活動する人たちには相当な“覚悟”があるようだ。コロナ禍という状況下であれ、夜の街の住人だけを敵視したり、排除したりする姿勢は、やはり違うのではないかと感じた。(取材・文=吉田みく)