また、たとえ光が当たらなかった仕事でも、注目度が低かったことでノビノビと仕事に取り組める貴重な機会になったと考えることもできます。 

 少々脱線しますが、バーベキューをするときに各人が手を挙げて行った作業により、各担当者の仕事の適性がわかるといいます。ある会社では、新入社員研修でバーベキューに行き、新入社員だけで作業を自由に行わせるそうです。ご飯を炊く人、肉を焼く人、皿を洗う人など、本人がどの仕事を希望するか、そしてその仕事ぶりを見ます。すると、この人は営業職に向いている、あるいは管理部門で業務改善の仕事を任せてみようなどと各自の配属先の判断基準が見えてくるそうです。

 ちなみに、周囲からは損な役回りに見えるような皿洗いやごみ捨てなどでも、手を挙げてしっかりやり切れる人は、その役割をこなせると判断され、適任と思える配属先が決まることもあります。 
つまり、損な役回りに見えていても、それほど損ではなく、持ち場として期待される仕事があるのです。評価としては決して一番ではないかもしれませんが、会社は、実は地味な役回りを選ぶ人を非常に高く評価する傾向があるのです。 

 不遇な状況にありモチベーションが下がり続けている人は、その状況で自分が得ていることは何か、それを次につなげる機会はないか振り返って、どうにかモチベーションを上げる方法を探ってほしいと思います。

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西野一輝

西野一輝

西野一輝(にしの・かずき)/経営・組織戦略コンサルタント。大学卒業後、大手出版社に入社。ビジネス関連の編集・企画に関わる。現在は独立して事務所を設立。経営者、専門家など2000名以上に取材を行ってきた経験を生かして、人材育成や組織開発の支援を行っている。

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