現代からタイムスリップした主人公が、弥生時代のムラや水田を目の当たりに(『弥生時代へタイムワープ』マンガ=市川智茂/ストーリー=チーム・ガリレオ)
現代からタイムスリップした主人公が、弥生時代のムラや水田を目の当たりに(『弥生時代へタイムワープ』マンガ=市川智茂/ストーリー=チーム・ガリレオ)

源義仲や巴御前、源義経といった有名キャラも続々登場する(『鎌倉時代へタイムワープ』マンガ=イセケヌ/ストーリー=チーム・ガリレオ)
源義仲や巴御前、源義経といった有名キャラも続々登場する(『鎌倉時代へタイムワープ』マンガ=イセケヌ/ストーリー=チーム・ガリレオ)

 長いところではもう2カ月近くに及んでいる登校自粛期間。学校はもちろんのこと図書館にも塾にも行かれず、ひたすら家でプリントとにらめっこ。そのうえ4月に入ると、新年度の教科書だけがドサっとやってきて……。

【源義仲や巴御前、源義経といった有名キャラも…】

 一体何から手をつけていいのか、困っているご家庭も多いだろう。そこで、新しい教科を自宅で楽しくスタートさせるための方法を紹介! 今回は小学6年生からスタートする「歴史」の勉強が楽しめる、とっておきの学習マンガを紹介する。

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 小学校の社会科で6年生からスタートする「歴史」。好きな子どもは好きな教科だが、興味のない子にとっては苦痛な教科のひとつだ。あつかう事柄は全部昔の話で、当然いまの生活には(一見)関係ないことばかり。いきなり「縄文式土器」とか「高床式倉庫」とか言われても、「なにそれ? どこで売ってるの?」と感じてしまうのも無理はないだろう(言い過ぎだったらごめんなさい)。

 そのハードルを越えるためには、まず歴史を身近に感じてもらうこと、が大切だ。昔の話とはいえ、いまと変わらない人間が暮らし、考え、行動してきたのが「歴史」。縄文時代の人がどうやって縄文式土器を作ったのか、弥生時代の人は高床式倉庫をどう使っていたのか、歴史上の有名人物はどんなことを考え、誰と何を話してどんなことを決めていったのか――。身近に体感することができれば、歴史の勉強がぐっと楽しくなるのは間違いない。

 土器や高床式倉庫の遺跡を実際に見たり触ったりするのもいいが、いまの「宅勉」環境では博物館に行くのもままならない。そこでオススメなのが、その時代の雰囲気や暮らしぶりを絵の力でぐっと身近に感じさせてくれる「歴史マンガ」だ。特に、歴史的な事実をしっかり押さえていて勉強にも役立つ歴史の学習マンガが、「宅勉」で歴史をスタートするにはぴったりである。

 歴史学習マンガの王道といえば小学館の「少年少女 日本の歴史」シリーズ(全24巻)だが、初めて歴史を勉強する子どもにオススメなのが「歴史マンガ タイムワープ」シリーズ(朝日新聞出版)だ。歴史を「身近」に感じてもらうため、主人公はその時代の人物ではなく現代(もしくは近未来)の、読者と同じ年齢層の子どもたち。彼ら彼女らがひょんなことから各時代にタイムスリップし、その時代を代表する出来事や人物に出会うというストーリーだ。

 たとえば『弥生時代へタイムワープ』では、姉弟が弥生時代を冒険していくストーリーのなかに弥生時代の狩猟や米づくり、おおきなムラの様子、日本にさまざまな技術をもたらした渡来人などが次々登場。自然と、弥生時代そのものを身近に感じることができるようになっている。他の時代でも有名な歴史上の人物や出来事が続々登場。各巻ごとに歴史に興味をもつためのきっかけがたくさん盛り込まれている。

「弥生」から「戦後」まで全14の時代を扱った「通史編」と、『縄文世界』『大坂城』『本能寺の変』『古代オリンピック』など歴史のトピックを扱った「テーマ編」の2種類。小学6年に限らず、もっと低学年から歴史に興味を持たせたい親御さんにおすすめしたいシリーズだ。

 歴史上の登場人物がほとんどネコ(一部、サルやマムシやカモ)になって登場する『ねこねこ日本史』シリーズ(そにしけんじ著)や、歌舞伎役者の中村獅童が歴史上の人物になって踊りまくる『歴史にドキリ』シリーズ(NHK Eテレ)なども、「歴史って何だか面白そう」と子どもに感じさせるにはぴったりのコンテンツ。歴史の「宅勉」を楽しむには、まず歴史を身近に感じることからはじめてみよう。