NBAで更なる飛躍が期待される渡邊雄太(左)と八村塁(右) (c)朝日新聞社
NBAで更なる飛躍が期待される渡邊雄太(左)と八村塁(右) (c)朝日新聞社

 本来のスケジュールであれば、NBAは今月15日にレギュラーシーズンが終了し現在はプレーオフ真っ只中のはずだった。しかし現実は、3月12日から中断し259試合が消化できずにいる。仮にシーズン再開となっても、非常事態宣言による自宅待機により各選手は個人練習しかできていないことから、再び世界最高峰のプレーが見られるとなっても、それはだいぶ先のことになりそう。しかもそれは無観客での再開となるだろう。

 とはいえ、米国ではまだ非常事態宣言が続いており、いつ経済活動が再開されるのかは不透明で、NBAもこのままシーズン終了という見方が現実的。というわけで、今回は少し気が早いが八村と渡邊のここまでの活躍と課題を簡単に振り返ってみたいと思う。

 まずはワシントン・ウィザーズの八村。ドラフト全体9位で入団し直後は開幕戦デビューを果たせるか?という声もあったが、実際はサマーリーグとプレシーズンでしっかりアピールし、開幕戦デビューどころかオープニングマッチをスターターとして迎えた。

 プレー内容も周囲の予測を遥かに上回るもので、スタッツでは41試合全てで先発し1試合平均13.4得点、6.0リバウンド、1.7アシストをマーク。開幕戦でいきなりダブルダブルを達成したことにも驚いたが、12月1日のロサンゼルス・クリッパーズ戦では30得点、9リバウンドの大暴れ。4日後のフィラデルフィア・76ers戦でも27得点、7リバウンドの数字を残し勝利に貢献するなど、チームに欠かせない存在となった。

 12月中旬から股関節を故障し戦列を離れたのは残念だが、復帰後の16戦中13試合で二桁得点したことは評価できるポイント。シーズン中断がなければ、さらなる活躍も期待できた。

 そんな八村にも課題はある。ペリメターからはしっかりシュートを決めているが、3Pシュートとなると成功率が一気に落ち込み成功率は27.4%。試投数が平均1.8本とそれほどロングシュートを打っていない中で、この数字はかなり改善する必要があるだろう。

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“若さ”が出てしまったプレーも