品川・八ツ山橋付近。高架化による渋滞緩和が期待される(C)朝日新聞社
品川・八ツ山橋付近。高架化による渋滞緩和が期待される(C)朝日新聞社
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東京都建設局が発表した連続立体交差事業は京急本線泉岳寺~新馬場間約1.7キロ区間(画像/東京都報道発表資料)
東京都建設局が発表した連続立体交差事業は京急本線泉岳寺~新馬場間約1.7キロ区間(画像/東京都報道発表資料)
左の京浜急行本線品川駅はJR側に移動し、右の北品川駅は旧東海道側に移動しさらに高架式となる(画像/東京都報道発表資料)
左の京浜急行本線品川駅はJR側に移動し、右の北品川駅は旧東海道側に移動しさらに高架式となる(画像/東京都報道発表資料)
3月14日に開業した高輪ゲートウェイ駅。今回の改造事業後に周辺は大きく変わる(C)朝日新聞社
3月14日に開業した高輪ゲートウェイ駅。今回の改造事業後に周辺は大きく変わる(C)朝日新聞社

 京浜急行品川駅とその周辺が大きく生まれ変わる。2020年4月1日、東京都建設局が京急本線泉岳寺~新馬場間約1.7キロ区間の連続立体交差事業に着手する旨を発表。およそ10年にわたる大事業がスタートすることになった。

【連続立体交差事業が行われるのはこの区間】

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■幹線同士が交差する“開かずの踏切”の解消を目指す

 立体交差化されるのは、港区高輪2丁目~品川区北品川2丁目間のおよそ1.7キロ区間。京急の駅では新馬場~泉岳寺の4駅間にまたがる区間だ。高架と地表、地下と3層に及ぶ大規模な計画で、現在は高架駅となっている京急品川駅を地表に移設することなどが盛り込まれている。事業規模は1247億円。2020年度に着工し2029年度の完成となる計画だ。

 この事業により、同区間3カ所の踏切(品川第一、品川第二、北品川第一)が廃止され立体交差化、慢性化している道路渋滞の軽減をはかる。とりわけ、品川構内に近い通称「八ツ山橋踏切」(品川第一、第二)は、時間帯によっては1時間あたり40分を超えて遮断機が降りている状況であり、今回の事業目的の柱ともなっている。

 一方、京急品川駅の大改装は品川駅周辺開発計画の一環でもあり、利用者の動線を含め大幅に改善される見込みだ。駅構造は現在の2面3線から2面4線化され、京急本線の輸送力増強が期待できる。駅施設は現在より泉岳寺側に移設されるほか、全体にJR側に移動する。西側(高輪口側)の1面は現在の1・2番線直下に、東側(港南口側)の1面は、現在JR1・2番線(山手線)ホームの西側にある留置線部分に設けられる。

 京急の改札口やコンコースはJRと同じ2階部分に設けられるため、両社間の乗り換え通路にある段差が解消される予定。また、京急駅の地表下によって、2階コンコースと自由通路が京急側の高輪口まで延長可能となる。完成後には、街の東西を結ぶルートとしての活用もはかられるに違いない。

 同じく大改装される北品川駅は、現状より東側に移設される形で、2面2線ホームが高架上に設けられるほか、西側に保守線が設置される。

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品川駅が大きく変貌する