自分の性格を自分で「嫌な所」と書きながら、どうして、娘さんには「全てに嫌悪感」を感じ、自分は「嫌な」性格なのに平気なのでしょう。

 考えられる理由としては、娘さんのことはもともと大嫌いだから「嫌な」性格に嫌悪感を持ち、自分のことは大好きだから、「嫌な」性格も気にならない、ということでしょうか。

 でも、相談ネームを「母親失格」とするぐらい、あなたは自分で自分を責めていると僕は感じます。「嫌な性格をまったく気にしない、私は自分が大好きだ」とは思っていないと考えられるのです。

 なのに、本当に「自分が嫌いだとか、そういうわけでは」ないと感じているのだとしたら、僕が考える理由はひとつです。

 自分を嫌いになる代わりに、娘さんを嫌いになることで、「自分が嫌いという感情」を処理しているのではないかということです。

 自分を嫌いになりたくないから、他人を責めて感情のバランスを取るという心理です。自分が不安な時、自分より弱い立場の人を責めて安心したり、誰かのミスを激しく責めたててネガティブな感情を発散させる心の動きです。

 娘さんが生まれる前、あなたはあなたのことが好きでしたか? それとも嫌いでしたか? そんな意識はなかったですか?

 息子さんに対して問題ないのは、異性なので、自分と同一視できないからじゃないかと僕は考えます。娘さんは、同性なので、自分を見るように感じてしまう。そして、あなたが自分を嫌いだからこそ、自分の分身である娘さんを嫌いになるんじゃないかと思うのです。

 と、いうようなことをカウンセリングのように書いていますが、もちろん、当っているかどうかなんて分かりません。

 じつは、もうひとつ、気になっていることがあります。そんなに長くない相談の文章の中に、あなたは三回も「何故だかわかりません」「何故か許せません」「自分でも何故なのかわかりません」と書いています。

 自分で自分が分からないと繰り返し主張しているのです。

 自分で自分が分からなければ、他人の手を借りるしかありません。けれど、あなたは、「人の話を聞くのが大嫌いでカウンセリング等も行きたくありません」と、わざわざ書くのです。

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このままだと、事態はどんどん深刻に…