オリックスが契約を結んだオールスター5度選出のアダム・ジョーンズ外野手はメジャー14年間通算で282本塁打、1939安打と打撃でトップクラスの実績があることに加え、ゴールドグラブ賞も4度獲得した経験があり、こちらも守備力も併せ持った全体的な能力が高い選手である。

 思えば、昨シーズン途中にロッテが獲得したレオニス・マーティン外野手も、メジャー時代からディフェンス力に定評があった。レギュラーとしてプレーしたレンジャーズ時代の2013年からの2シーズンは中堅手としてメジャー全体で2位のUZRを記録。近年はレギュラーとして試合に出場する機会は減っていたが、タイガースとインディアンスの2チームに在籍した2018年には10点あれば優秀とされるUZRの指標で9.1をマークしている。

 肩も非常に強く、昨シーズンは7月末の移籍ながらパ・リーグ7位タイとなる5つの補殺を記録。レーザービームと呼んでもいい矢のような送球は、ロッテファンのみならず、パ・リーグの試合を観ているすべての人に強い印象を残した。打撃では52試合の出場で打率.232、14本塁打、39打点と及第点だったが、新たなシーズンの契約を勝ち取れたのも守備力があってのものだったと考えてもいいだろう。

 これまでは助っ人に打撃力だけを求める傾向にあった日本のプロ野球だったが、前述の4選手を含め、今後は守備力も含めたトータルの能力で、外国人選手は査定されるようになっていくのだろうか。

 メジャーリーグでは近年、ここで何度も引用させて頂いたUZRや総合的な選手の価値を示すWARという指標など、セイバーメトリクスを活用し選手補強に反映している。

 分かりやすい例としては、ケビン・キアマイアー外野手(レイズ)が挙げられる。キアマイアーは打つ方では7年間通算で打率.249、68本塁打、235打点、89盗塁といたって平凡な数値だが、メジャー屈指の外野守備が評価され、2017年のシーズン前に総額5350万ドル(現在のレートで約59億円)の 6年契約を手にしている。MLBではいかに総合的な指標で選手を評価しているか分かるサンプルの一つだろう。

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今後の助っ人補強はどうなるのか…