●お悩み2


5年付き合った人が今でも忘れられません。(29歳・女性)

 10代から20代前半まで5年付き合った人が今でも忘れられません。先日、SNSで彼を見つけてしまいました。別れてから6年が経ちますがどうにかして接点を持ちたい、会いたい、という思いが止められません。

鏡:占いの相談では、この手の“復活愛”と“不倫”の相談が一番多いんですよ。

名越:占いしか頼るところがなくなってしまうんでしょうね。「彼を運命の人だと言ってください」と。後押しをして欲しいわけです。もし、心理カウンセリングをするなら、トラウマの分析をしたり、なぜその男性に執着してしまうのか、生い立ちの中でのこの方と父親との関係を分析したりしていくんでしょうが、そんなことを求めていないはず。今回のお悩みの文面からすると、「私を止めてください」ってことですよね。

鏡:そうですね。でもこの感情のまま占いに頼っても、依存の対象が変わるだけで、心の中にある問題が繰り返すような気がします。もちろん、この男性に会ってみたら、それまでの妄想が消えて、ふっと冷静になれるかもしれません。でも、相手の男性の気持ちを考えれば、おすすめできない方法です。占星術で見ると、この方は29歳なので、サターンリターンの時期なんですよね。

名越:サターンリターン?

鏡:惑星のサイクルで読み取るんです。約30年周期でやってくるサターンリターンは土星の回帰。土星は現実を表す時間の神様。30歳前後は本当の意味での成人式のようなものなんです。だから、過去の恋愛に悩むより、お仕事をしっかりしなさいと言いたいですね。

名越:なるほど~。人生を耕しなさい、と。それは我々カウンセリングの世界でも良く言いますね。まずは自分の時間を持ちなさい、集中できるものを作りなさい、と。僕は何か嫌なことがあったら、YouTubeでローリングストーンズや矢沢永吉の動画をみますよ。勇気付けられるんです、10分で立ち直れます。この方も、自分が真似したくなるくらい格好いい人、憧れる人をロールモデルに持つといいかもしれません。

鏡:古代ギリシャの言葉で、“ミメーシス”、感化や感染という言葉があります。

名越:そうそう、軽く感染するといいですよ。セルフイメージも上がります。

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