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年間61万件が「予定外の妊娠」 緊急避妊薬の切実な処方状況

連載「ちょっとだけ医見手帖(山本佳奈医師)」

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山本佳奈dot.#ヘルス#病気#病院
山本佳奈(やまもと・かな)/1989年生まれ。滋賀県出身。医師。2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員

山本佳奈(やまもと・かな)/1989年生まれ。滋賀県出身。医師。2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員

※写真はイメージ(Getty Images)

※写真はイメージ(Getty Images)

 日々の生活のなかでちょっと気になる出来事やニュースを、2人の女性医師が医療や健康の面から解説するコラム「ちょっとだけ医見手帖」。今回は「避妊薬を取り巻く課題」について、NPO法人医療ガバナンス研究所の内科医・山本佳奈医師が「医見」します。

*    *  *
 1年間の出生数や人工妊娠中絶数などをもとに、日本の15歳から44歳の女性の予定外の妊娠は年間推計61万件にのぼると、東京大学とバイエル薬品の研究チームが先月報告しました。予定外の妊娠の分娩や中絶にかかった費用は2520億円であり、予定外妊娠する可能性のある女性が使った避妊費用は373億円だったといいます。

 さらに、低用量ピルや子宮内避妊具(IUD)などは、コンドームによる避妊よりも失敗が少ないことがわかっていますが、これらの使用が10%増えると、避妊費用は109億円増える一方で、予定外の妊娠数は4万件減り、分娩(ぶんべん)や中絶費用も181億円減るといいます。また、避妊具を最適に使った場合、分娩や中絶費用は280億円削減でき、より失敗する可能性の低い避妊法を選択することは、経済的な負担の軽減につながるといいます。

 しかしながら、望まない妊娠による中絶は、経済的な負担だけではありません。身体的な負担や精神的な負担も、とても大きいと言わざるを得ません。

 今回は避妊をテーマに、勤務先であるナビタスクリニックにおける現状や調査結果なども交えながらお話ししたいと思います。

 そもそも男性と女性の間の性的な行為である性行為の本質は、子孫を残すことです。つまり、性行為が子どもを作るための行為である以上、妊娠を希望しないのであれば避妊するしかありません。避妊法として、男性によるコンドームの適切な使用が一般的ですが、女性による低用量ピルの内服、子宮内避妊具(IUD)の装着によっても避妊効果を得られます。

 避妊効果が最も高くなる方法は、適切なコンドームの使用と低用量ピルの内服もしくは、適切なコンドームの使用と子宮内避妊具(IUD)の装着です。コンドームを使用することで、性感染症の予防効果も期待できます。


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