指導者不足のほかに、捕手が子どもたちに憧れられる存在になることも必要だ。そのためには、かつての古田敦也や城島健司、阿部慎之助などチームの顔になる“名捕手”の存在も必要だろう。

「森友哉や甲斐拓也ら、次世代の捕手が少しずつ出てきています。YouTubeなどで彼らのプレーを見本にすることもできる。子どもたちには捕手の魅力を知ってほしいですね」

 野村氏も、捕手の魅力についてこう説いている。

「捕手は第二監督なんだよ。守備についたら一球ごとにサインを出して、野球というドラマの脚本を書いているんだ。巨人V9のときの森祇晶とか、西武黄金時代の伊東勤とか、南海のオレとか。そういう名捕手は出ないもんかね」

 深刻な捕手不足に、ノムさんのボヤきも止まらない。(AERA dot.編集部/井上啓太)