楽天から戦力外通告を受けた西巻賢二内野手(20)が、千葉県鴨川市で行われているロッテの秋季キャンプで、入団テストに合格した。ロッテが14日に発表した。

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 西巻は楽天の地元・仙台育英高出身。高卒1年目の昨季は25試合に出場、打率.247の成績を残した。今季の高卒新人として注目された広島の小園海斗内野手(19)が、58試合出場で打率.213だったことを考えると、西巻の成績は決して悪かったわけではない。今季は、ショートの茂木栄五郎内野手(25)と、西武からFA移籍したセカンドの浅村栄斗内野手(28)がレギュラーとして固定されたため2試合の出場にとどまったが、2軍で106試合に出場していた。

 ところが楽天は10月18日、「編成上の都合」で西巻に戦力外通告。育成選手として再契約する提案をした。今後の成長が期待される地元選手だけに、驚きが広がった。

 一方、西巻の戦力外には「プロテクト外しを狙ったのでは」との声も出ていた。

 プロテクトとは、FA宣言によって選手を放出することになった球団が、移籍先の球団から28人のプロテクト枠選手のリストの提示を受け、リストに入っていない選手を「人的補償」として獲得できる制度だ。昨季のオフは、巨人にFA移籍した丸佳浩外野手(30)の人的補償として、広島が長野久義外野手(34)を獲得。同じく巨人にFA移籍した炭谷銀仁朗捕手(32)に対しては、西武が内海哲也投手(37)を指名した。両選手とも巨人の“顔”であるベテラン選手で、大きなニュースになった。

 楽天は現在、ロッテからFA宣言をした鈴木大地内野手(30)との交渉を続けている。そのため、人的補償が発生した時の対策として西巻を一時的に戦力外にしたのでは、ということだ。

 もちろん、プロテクト外しのための戦力外はリスクもある。自由契約になれば、選手はどの球団とも自由に交渉できる。支配下選手として契約したい球団があれば、西巻が移籍を選ぶのは当然のことだ。事実、昨季のシーズンオフに自由契約となり、FA交渉が終わった後に巨人と再契約したことで「プロテクト外し」が疑われた巨人の上原浩治氏(今季で引退)は、ブログで<自由契約になってから、他の球団から話は無かったですし、ここでもし話があれば、いろいろ考えることはあったでしょうね>と書いている。

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平沢大河との仙台育英コンビは実現するか