現在、アイスバックス代表取締役を務めるのは、サッカー解説者のセルジオ越後氏だ。

「アイスホッケーは本当におもしろい。サッカーと似ている部分もあるし、それ以上のボディコンタクトの激しいプレーもある。一度見れば絶対に好きになると思う。今後、盛り上がる可能性は絶対にあるよ」

 サッカー解説ではご意見番として知られるセルジオ氏だが、常にアイスホッケー愛を口にする。代表取締役としての公務としてではなく、純粋なイチファンとして会場に足を運んでいるようにも見える。

 周囲の環境に振り回されているアイスホッケー界と言えるかもしれない。

 現状は厳しい。現実はシビアだ。しかし隣を見れば、同じように低迷していたバスケットボールやラグビーが陽の目を見ようとしている。アイスホッケー界にできないことはない。

「信は力」である。青臭い理想論かもしれないが、それを胸に前進するしかない。アジアリーグ、日本アイスホッケー界の未来に、光を見たい。(文・山岡則夫)

●プロフィール
山岡則夫
1972年島根県出身。千葉大学卒業後、アパレル会社勤務などを経て01年にInnings,Co.を設立、雑誌『Ballpark Time!』を発刊。現在はBallparkレーベルとして様々な書籍、雑誌を企画、編集・製作するほか、多くの雑誌、書籍やホームページ等に寄稿している。Ballpark Time!オフィシャルページにて取材日記を不定期に更新中。現在の肩書きはスポーツスペクテイター。