田村耕太郎さん
田村耕太郎さん
都合よく利用されるのはもううんざりだ!
都合よく利用されるのはもううんざりだ!

「アホとは戦うな。時間の無駄である」と提唱する、元政治家であり、現在はシンガポール・リークアンユー政治大学院で教鞭を執る田村耕太郎さん。しかし、シリーズ75万部を突破した著書『頭に来てもアホとは戦うな!』の読者からは、「それでも戦ってしまう……」と多くの悩みの声が寄せられているという。

 日々の仕事・暮らしの中で「アホ」に悩んでいるあなたに、ちょっとでも気持ちが楽になるヒントを田村さんが提案する連載「アホから解放される相談室」。今回は「こきつかってくるアホにはどうしたら」というお悩みについて。

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【相談】

 20代の派遣社員の女性です。気弱そうな性格に見えるせいか、相手にうまく使われることがとても多くあります。

 たとえば、わたしの仕事ではない正社員の雑用を押しつけられたり、陰で努力していたことを自分の手柄のようにかっさらわれたりすることもあります。

 余裕があるときは、「少しでも役に立てたなら」と、前向きに解釈することができたのですが、自分の未来の先行きが見えないこともあり、こうした役割を押し付けられるのが苦しくなってきました。
こんな扱いを受けても、何も言えずニコニコ引き受けてしまう自分が嫌いで嫌いでたまりません。

 そもそも、私は自分に自信がありません。周りと比べて劣っている自覚もあります。だからこそ、「都合のいい存在」を引き受けてしまうのかもしれません。
こんな自分から脱却するには、どんな心がけや、言動をすればいいでしょうか。

■アピールするのは恥ずかしいことではない

「都合いい」とは「(自分のために)利用しがいがある」ということです。

 日本では、誠実さや従順さが良しとされますが、それはあくまで利用者からみた使い勝手の良さを下々に叩き込むための仕組みです。都合のいい存在から脱却するためには、ここに気がつくことが大切です。

 ただ、敵を作ったりするのは愚かなことなので、あくまで表面上は友好的に、しかし無駄に利用されないことが必要です。

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田村耕太郎

田村耕太郎

田村 耕太郎(たむら・こうたろう)/国立シンガポール大学リー・クアンユー公共政策大学院兼任教授。ミルケン研究所シニアフェロー、インフォテリア(東証上場)取締役、データラマ社日本法人会長。日本にも二校ある世界最大のグローバル・インディアン・インターナショナル・スクールの顧問他、日、米、シンガポール、インド、香港等の企業のアドバイザーを務める。データ分析系を中心にシリコンバレーでエンジェル投資、中国のユニコーンベンチャーにも投資。元参議院議員。イェール大学大学院卒業。日本人政治家で初めてハーバードビジネススクールのケース(事例)の主人公となる。著書に『君は、こんなワクワクする世界を見ずに死ねるか!?』(マガジンハウス)、『野蛮人の読書術』(飛鳥新社)、『頭に来てもアホとは戦うな!』(朝日新聞出版)など多数

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