ノーベル文学賞逃した村上春樹 ハルキストたちの真の願いとは? (2/2) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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ノーベル文学賞逃した村上春樹 ハルキストたちの真の願いとは?

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書店に駆けつけた増井孝充さん(撮影/井上啓太)

書店に駆けつけた増井孝充さん(撮影/井上啓太)

ハルキストを取り囲む報道陣(撮影/井上啓太)

ハルキストを取り囲む報道陣(撮影/井上啓太)

 午後8時過ぎ、中継が始まった。

「音が聞こえない」

 そんな声が後ろの方から聞こえた。異様な雰囲気にのまれ、発表が近づくにつれて記者も心拍数が上がるのがわかった。しばらくして、どこからか大きな声があがった。

「村上春樹受賞ならず!」

 別に中継を見ていた記者が、速報のニュースを見ていたのだろうか。そう叫ぶと、すぐに店内に村上さんが受賞を逃したことを告げるアナウンスが流れた。

 アナウンスを聞いたハルキストたちは沈痛な表情を浮かべていた。なかにはハンカチで涙をぬぐう人もいた。

 イベント終了後の囲み取材で、増井さんは涙をこらえてこう悔しさを話した。

「受賞した方がどんなものを書かれているかは分かりませんが、僅差だと思う。名前はもう審査員の方も存じ上げているはず。あとはもう、審査員の好みにあわないといけないのかなって思います」

 モニター前では数人のハルキストの周りを、その倍以上の数の報道陣が取り囲み話を聞いている。もはやイベントに参加しているハルキストよりも、報道陣の人数のほうがはるかに多い。

 40代の会社員男性は、「受賞できなかったことは残念です。でもファンとしては、純粋に作品の魅力に気づいてほしいと思う。先生の作品の素晴らしさはノーベル賞だけでははかれないと思っています」と話した。

 ここ数年、秋の風物詩となっている村上春樹ノーベル賞騒動。ハルキストたちの真の願いは受賞の有無とは別のところにあるのかもしれない。

(AERA dot.編集部/井上啓太)


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