■選手も緊張する「ファーストスクラム」

 ラグビーといえばスクラム。スクラムは双方のフォワード8人ずつが組み合い、ボールを味方にかき出すために押し合う。90度以上回ってしまった場合は組み直しとなる。

 スクラムで相手チームを上回れば、試合を優位に運ぶことができる。そこで大切なのが、その試合で最初に行われる「ファーストスクラム」だ。ファーストスクラムで力の差を把握することが、その後の展開を左右する。見逃さないようにしよう。

■暗号が飛び交う「ラインアウト」

 ラインアウトとは、ボールを持ったプレーヤーがタッチラインからボールを投げ込み、2列に並んだチームがボールを奪い合うプレー(写真参照)。ボールを投げる人は、相手チームにわからない暗号を叫んで、どの人にボールを投げるかを指示する。なお、ラインアウトではボールをまっすぐに投げないと反則になる(ノットストレート)。ラインアウトの成功率は、試合の流れに直結するプレーだ。

■知っておいてほしい「ダイレクトタッチ」

 ぜひ知っておいて欲しいのが「ダイレクトタッチ」。これがわかるとラグビーの理解が一気に深まる。少し複雑なので、サッカーにたとえて説明しよう。

 サッカーでは、自陣に相手選手が攻め込んでくると、ボールをわざとタッチラインの外に出す「クリア」が行われる。ボールの奪い合いなどでもタッチラインを越えると、その地点から相手ボールのスローインで試合が再開される。

 ラグビーの場合、意図的にタッチラインの外にボールを蹴り出すことを「タッチキック」と呼ぶ。ラグビーもボールを投げ込んで試合が再開されるが、その時は「ラインアウト」が行われることが多い。

 このラインアウトの位置の決め方が、サッカーよりややこしい。理解のポイントとなるのが「22メートルライン」だ。

 相手から攻め込まれた時など、自陣の22メートルラインより後ろ(自陣側)からボールを蹴ってタッチラインの外に出した場合、ボールが出た地点から相手チームのラインアウトになる。これはサッカーのスローインとほぼ同じと考えてもらっていい。

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ダイレクトタッチが分かると理解が深まる