一方、22メートルラインより前(敵陣側)でボールをキックした場合は、ボールがノーバウンドでタッチラインの外に出てしまったら「ダイレクトタッチ」となって、ボールをキックした場所まで戻されて相手チームのラインアウトになる。一方、ワンバウンドしてからタッチラインを越えた場合は、その地点からラインアウトになる。

 タッチキックでワンバウンドさせてタッチラインを越えれば、敵陣に攻め上がることができる。ただ、これが簡単ではない。サッカーと違って楕円形のラグビーボールではバウンドした後の方向が不規則だからだ。そこで、選手はタッチラインのギリギリの場所にボールを落とそうとする。ワンバウンドしてタッチラインを越えた時は「ナイスキック!」と讃えられる。一方、ノーバウンドでダイレクトタッチになってしまった場合は、相手にボールが渡って相手に有利になる。

 なお、ペナルティーキックでは、ノーバウンドでもタッチラインを越えた地点で、マイボールのラインアウトで試合が再開となる。そのほか、22メートルラインより前(敵陣側)にいたプレーヤーが、22メートルラインの後ろに戻ってからダイレクトタッチした場合は、ボールを蹴った場所からのラインアウトとなる。選手がボールを蹴る時、22メートルラインの前か後ろにいるかに注目してほしい。

 以上が、ラグビーを楽しむための7つの知識だ。日本のラグビー競技人口は約29万人(国際ラグビー機構調べ)で、サッカーの677万人や野球の814万人(総務省「社会生活基本調査」)と比べてケタが違う。ただ、基本的な知識を理解して、数試合見ればルールは理解できる。W杯を機に、ぜひラグビーの面白さを感じてほしい。(AERA dot.編集部/西岡千史)