みなさんは、薄毛が気になってきたときに真っ先に何をされますか? シャンプーを変えたり、毛包に栄養を与えるような育毛剤を試したりしませんか? 実は、それ自体、あまり意味がないどころか、逆効果になる可能性があって注意が必要といえます。頭皮も肌の一種です。デリケートで外的な刺激に弱い。顔の肌にシワができたり、たるんだりすると気になりますね。頭皮は髪に覆われていますのでわかりにくいのですが、顔の肌と同様に、ケアの仕方によってダメージを受けるのです。

■ゴシゴシ洗いは頭皮にとって負担

 ここで肌についてのおさらいをしましょう。肌は表面の「表皮」とその下の「真皮」で成り立ちます。表皮の最も外側は「角質層」といって角質が幾重にも重なり、その表面を毛包から分泌された皮脂が覆うことで、外部からの細菌類などの侵入を阻むバリア機能を果たしています。紫外線を浴びたときには、表皮の底の真皮に近い部分で作られたメラニン色素が吸収することで、紫外線の害から身を守る仕組みがあります。その結果生じるのが日焼けです。角質は約6週間で垢と一緒に剥がれ落ちるため、不要になったメラニンも角質と一緒に排出されるのですが、この仕組み不具合が起こるとシミになります。
 
 真皮は主にコラーゲンで構成される組織で弾力を持ち、プルプル肌を後押ししています。真皮のコラーゲンが上手く作られなくなると、弾力が失われてシワやたるみになるのです。 頭皮にも顔の肌と同じように表皮や真皮が存在します。薄毛に悩む人の頭皮を見ると、頭皮が薄く硬くなっているケースが多い。その理由のひとつに洗髪の仕方があります。シャンプーを用いてゴシゴシ洗い、コンディショナーをつけた後にドライヤーで髪を乾かす。これは頭皮にとって負担の重い行為です。

 シャンプーに含まれる界面活性剤は、皮脂を流します。頭皮には毛包が多いので皮脂も多いのですが、皮脂を流し過ぎると表皮が痛み、真皮にも悪影響を与えるのです。

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肌と同じように頭皮を守る習慣を