駅舎温泉は、そのほか飯山線津南駅(新潟県)の「リバーサイド津南」や予土線松丸駅(愛媛県)の「森の国ぽっぽ温泉」、長良川鉄道みなみ子宝温泉駅(岐阜県)の「日本まん中温泉 子宝の湯」など各地に登場している。

 このうち、「日本まん中温泉 子宝の湯」には玄関近くに列車到着を知らせる信号機があり、「ほっとゆだ」と並ぶ「エキナカ温泉」らしい設備として人気。「森の国ぽっぽ温泉」は沿線の景勝地・滑床渓谷と雪輪の滝をモチーフにした「滑床の湯」や岩風呂と大樽風呂の露天風呂などバラエティーに富む浴槽が揃う。

 駅舎に隣接している長野電鉄湯田中駅(長野県)の「湯田中駅前温泉 楓の湯」や山陰本線城崎温泉(兵庫県)の「駅舎温泉さとの湯」も「エキナカ温泉」にリストアップできる。「駅舎温泉さとの湯」は城崎温泉名物「外湯」のひとつであるほか、無料の足湯もあるので、列車待ちなどの際に立ち寄ってみてはいかがだろうか。

 そのほか、よりエンタテイメント性の高い「エキナカ温泉」として、上越新幹線・上越線の越後湯沢駅(新潟県)をおススメしたい。ここで楽しめるのは、日本酒が注がれている「酒風呂湯の沢」。駅ビル「CoCoLo湯沢・がんぎどおり」内の「ぽんしゅ館」に設けられている入浴コーナーで、アルコール度数15度の専用酒を源泉に混ぜたユニークなお風呂だ。ほのかなお酒の成分が血行を促し、美肌効果もあるという湯は、お酒に弱い人や子どもでも入浴OK。

「ぽんしゅ館」は117種の日本酒を厳選した利き酒コーナー「きき酒番所」や糀を使ったドリンクやスイーツが楽しめる「糀らって」などが揃うのをはじめ、駅ビル内には飲食店やお土産店が充実おり、「エキナカ」そのものがエンタテイメント性の高い施設となっている。

■お手軽に楽しみたい「エキナカ足湯」

 入浴施設だけでなく、足湯を併設した駅も各地で湯煙を上げている。足湯は脱衣の必要もなく、「エキナカ足湯」の大半は無料で入浴可能。見かけたら「即! 入浴」が楽しめるため、ちょっとした列車の待ち時間などでも利用しやすい気楽さがいい。

 冒頭で紹介した上諏訪駅は、改札内に浴槽がある究極の「エキナカ温泉」駅といえるが、そのほかにも京都丹後鉄道の夕日ヶ浦木津温泉駅「しらさぎの湯」(京都府)や久大本線の由布院駅「由布院駅あし湯」(大分県)、伊豆急行の城ヶ崎海岸駅「城ヶ崎海岸ぽっぽの湯」(静岡県)も改札内ホームにある「エキナカ足湯」だ。

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ほとんどの足湯が無料で開放