このうち、「由布院足湯」は列車利用者でも入浴料160円(こども80円)が必要だが、オリジナルのタオルつきなので、記念にもなりそう。そのほかの駅は、列車利用者なら無料で入浴できる(有効な乗車券または入場券が必要)。

 また、釧網本線の川湯温泉駅構内の「あし湯」と摩周駅前の「ぽっぽの湯」(北海道)は北のローカル線の旅とともに楽しんでみたい「エキナカ足湯」。

 青い森鉄道の浅虫温泉駅「浅虫温泉駅足湯」(青森県)や陸羽東線の鳴子温泉駅「ぽっぽの足湯」(宮城県)、東武鉄道鬼怒川温泉駅「鬼怒太の湯」(栃木県)、東海道本線熱海駅「家康の湯」(静岡県)、伊予鉄道道後温泉駅「道後・放生園」(愛媛県)、指宿枕崎線指宿駅「指宿駅足湯」(鹿児島県)など、温泉地の玄関駅に併設されているケースが多く、お出かけの際にはぜひチェックしておきたいところだ。

 これら「駅ナカ温泉」は、鉄道利用の旅でこれ以上はないというアクセスのよさが最大の魅力。なかには温泉施設内から列車の走行シーンを眺められる駅もあるほか、湯に浸かりながら列車の轍に耳を傾けるのもオツなのではないだろうか。

 各施設では、飲食店や休憩所を併設しているケースも多いので、あえて時間を多めにとって立ち寄るのもオススメ。なお、アメニティーなども揃う施設がある一方で、足湯などではタオルの用意がないところも多いため、訪問のさいに用意しておくのも利用のコツといえそうだ。(文/植村 誠)

○植村 誠(うえむら・まこと)/国内外を問わず、鉄道をはじめのりものを楽しむ旅をテーマに取材・執筆中。近年は東南アジアを重点的に散策している。主な著書に『ワンテーマ指さし会話韓国×鉄道』(情報センター出版局)、『ボートで東京湾を遊びつくす!』(情報センター出版局・共著)、『絶対この季節に乗りたい鉄道の旅』(東京書籍・共著)など。