作家・演出家の鴻上尚史氏が、あなたのお悩みにおこたえします! 夫婦、家族、職場、学校、恋愛、友人、親戚、社会人サークル、孤独……。皆さまのお悩みをぜひ、ご投稿ください(https://publications.asahi.com/kokami/)。採用された方には、本連載にて鴻上尚史氏が心底真剣に、そしてポジティブにおこたえします(撮影/写真部・小山幸佑)
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写真は本文とは関係ありません(※イメージ写真/iStock)
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 鴻上尚史人生相談。「容姿が悪く」振られ続けて交際経験がないという47歳女性。「男性と愛し愛されてみたい」が「あきらめたほうがいいのか」と揺れる心を打ち明けた相談者に鴻上尚史が応えた、掛け値なしの本音の言葉とは……。

【相談39】人生で一度でいいから、男性と愛し愛されてみたい(47歳 女性 サバ缶)

 47歳、独身の女性会社員です。人生で一度も男性とおつきあいしたことがありません。人並みに恋愛の願望はあり、告白したことも何度もありますが、すべて断られました。「最初から結婚目的で活動すれば良いのでは」と思い、結婚相談所に登録したこともありますが、すべて、相手から断られました。容姿は悪いです。背が高く、和風顔で、とある男性のお笑い芸人に似ています。若い頃はよくからかわれました。

 そんな私も、仕事や趣味は充実しており、男友達は多く、食事に行くこともあります。その中の何人かに告白したこともありますが、友達としてしか見られないとのことでふられました。会話、おしゃれ、思いやりなど、世の中で言われる一通りの努力をしましたが、全く報われません。一度、仕事で知り合った既婚男性から「会いたい」と熱心に誘われ、「こうなったら、不倫でも良いから交際の経験が欲しい」と思い、会ったことがあります。酔った勢いでハグをされ、彼のことが好きになってしまいました。が、「俺はつきあう気は無いから」と言われ続け、何回か食事に行き、何回か仕事をして担当が私から別の人間になると、連絡しても返事がこなくなりました。私が好きなわけではなく、フリーランスの彼は仕事が欲しかったのだと思います。不倫でもいい、と最大の妥協をしたのに、体も求められず、気持ちを弄(もてあそ)ばれただけでした。

 もう47歳、白髪も増え、老眼も始まる年齢ですが、恋愛に関しては高校生レベルです。人生で一度でいいから、男性と愛し愛されてみたいと思う一方、無理なことはあきらめる努力をした方が良いのだろうか、とも思い、心が揺れます。こんな私に、アドバイスをいただけますと幸いです。

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鴻上尚史

鴻上尚史

鴻上尚史(こうかみ・しょうじ)/作家・演出家。1958年、愛媛県生まれ。早稲田大学卒。在学中に劇団「第三舞台」を旗揚げ。94年「スナフキンの手紙」で岸田國士戯曲賞受賞、2010年「グローブ・ジャングル」で読売文学賞戯曲賞。現在は、「KOKAMI@network」と「虚構の劇団」を中心に脚本、演出を手掛ける。近著に『「空気」を読んでも従わない~生き苦しさからラクになる 』(岩波ジュニア新書)、『ドン・キホーテ走る』(論創社)、また本連載を書籍にした『鴻上尚史のほがらか人生相談~息苦しい「世間」を楽に生きる処方箋』がある。Twitter(@KOKAMIShoji)も随時更新中

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